その世界は、ただ一つのものによって管理されていた。
あらゆる出来事は、そのものによって決定され、そこに住む人々は、
管理されることを当然のものと受け入れていた。
「管理者」の庇護の下、人々は約束された繁栄を続け、
やがて、力をもつ者<企業>が産まれた。
企業はより大きな力を追い求め、やがて、互いに争いを始めた。
だが、その争いすらも、管理者の掌の上の出来事であった。
全てが予定された世界。
だがそれは、徐々に狂いを生み始めていた。
SILENT LINE
人類が地球規模の大災害を逃れ、
「管理者」と呼ばれる、ただ一つの管理機構と幾つかの企業によって均衡が保たれた
レイヤードと呼ばれる地下世界。
全てが、管理され予定された世界で生活を営むようになって、数世紀。
企業の勢力均衡を保つために生み出された
<レイヴン>と呼ばれる傭兵の手によって、「管理者」が破壊された。
軛から解き放たれ、人類が地上に進出した時代。
この時、地上は数年前に企業によって提唱された
「地上再開発計画」の最中であり、
新しい世界の発見を急ぐとともに、地上の開発計画も活発化していた。
数年後、
地上の未踏査地区を調査中に、巨大なクレーターが発見された。
その直後、地上開発は急速な展開を見せる・復興への道を歩むべく行われた世界編成は
企業による開発活動を加速させる一方で、資源の所有化、
各種利権紛争といった争いを生み出していく。
だが唯一つの存在だけは違っていた。
報酬によって依頼を遂行し何にもとらわれない傭兵達
<レイヴン>
人々が企業の利権争いに翻弄されるのと対照的に、
レイヴン達は、戦場で中核をなすまでに戦力を高め、
いつ終わるともしれない戦いを、繰り返す存在となっていた・・・
・・・世界は混迷を深めつつあった。