マブラヴ アージュ


友人「最近どうよ、恋とか」
俺「う〜ん、次元超えるって難しいな
友人「ハァ?」
俺「うん、なんかもう俺にもよくわからん
友人「なんだよ、最近のお前、おかしいぞ。浮ついた話のひとつでもないのか?」
俺「一般人のお前には逆立ちしたってこの気持ちは理解できんよ」
友人「なんだそれ? まさか相手が芸能人だったりするとか?」
俺「メディアに踊らされているという究極の一点においては、ヲタクも一般人も変わらないな
友人「え、もしかしてマジでそうなわけ? 誰だよ、教えろって」
俺「英知を殺すつもりだったんだが、奴は既に逝ってたしな」
友人「お、おい。なんか物騒な話だな」
俺「これで満月は俺のものになったわけだが、もう片方はどうしていいものやら」
友人「まさか二股か? 最低だな、お前」
俺「お前がそうやって俺を辛そうに見つめる真剣な眼差しが、最近とても気持ちよくすら思えるよ
友人「ど、どうしちまったんだよ。なんかの病気か、お前?
俺「そんな気分にもなるときだってあるってことさ」
友人「そんでもうひとりの子の名前は? 俺でよかったら相談に乗ってやるよ」
俺「いや、無理だよ絶対
友人「いいから教えろよ。無理なのはもう頭のどっかで分かってるからさ
俺「そうか、お前がそこまで言うのなら……」
友人「おう。で、誰だよ」
俺「鑑純夏
友人「え、誰だって?」
俺「社霞
友人「待てコラ。なんか別の名前が出てきたぞ?」
俺「元は同じようなもんだから気にするな
友人「気にすんな言われても……で、その子らは何してる人なん?」
俺「朝起きたらどこにもいなかったんだ。んで気が付いたらうさぎになってた
友人「…………」
俺「それでも俺は彼女……彼女たちをアヒャ(゜∀。) 帰してくれ。俺を、楽しかったあの頃に」
友人「むしろお前、帰れ
俺「もう……もうッ! 待ちきれねぇんだよぉぉぉ!」

というような会話が展開されそうな勢いでプレイしたマブラヴについてのレビューです、こんにちは。

前回からほぼ一週間しか経たずしてこうしてレビューを書いている自分にびっくりしたりしつつ、次にやるエロゲを物色しては決めあぐねている今日この頃なわけですが、そんな前置きはどうでもいいのでさっさと本題いきましょう。
前作、「君が望む永遠」が発売される間際、急遽発表されたアージュの次回作「マブラヴ」。さすがは君望で大手ソフトハウスになっただけのことはあります、発売日決定から幾度も延期を重ねてみせる大御所っぷり。流石です。何もそこまで他の大手メーカーの真似をせんでも。
昨年某日、ファンクラブや雑誌などで体験版が配布され、その驚愕の内容に誰もがこの作品に注視せざるを得なくなった。
アニメ以外の手法によって、表現豊かにぐりぐりと動くキャラクターたち。とても君望を作ったメーカーとは思えない、攻撃的なまでのギャグ展開。エロゲ業界の限界に挑戦した、金と体張った命賭けのネタの数々(例えば頭文字D)。
そして体験版のラスト、ガチンコをそのままに再現して見せた、アージュスタッフの実に漢気のある行動に、誰もが涙を流した(多分、笑いすぎで)。

まずプレイ前の予備知識として知っておきたいのは、このゲームは通常のソフトの販促方法から逸脱した手段で展開されてきたということです。
最近は、雑誌やホームページなどを見れば、そのゲームが大体どんな感じなのかを掴めるようになっていますが、アージュは雑誌や自社のHPでの情報を必要最低限に止め、むしろエロゲとは関係のない方面(ホビーマガジンなど)で話題になりそうな情報を流すようにしていました。
ホームページ上では、作中にロボットの類が出ることは完全に伏せられているというのに、ホビー方面ではロボの画像が載っていたり、その模型まで売り出されていたりと、細かくちぎった情報を各方面に分散して、ユーザーがそれを探して拾い集めていくといった手法を用いていました。

発売前は、作中にどのような形でロボットが絡んでくるのか、様々な憶測と予想が飛び交っていましたが、発売日前日、アージュ自らの手によって、その謎の一端がホームページ上で公開されました。
昨年の年末、C2のちよれんライブにおいてマブラヴの発売日が発表され、最後にアージュの吉田氏のコメント、「マブラヴの仕掛けはまだまだこれからです」という意味深な一文を、その場にいた全員の心に焼き付けました。
この仕掛けとは(少なくともそのひとつ)、まさにこのことだったのです。
まず、マブラヴ製品紹介のキャラクター紹介の内容を更新。今までのマブラヴに対するユーザーのイメージを一気にぶち壊すかのようなキャラクターや世界観の変容っぷりに、誰もが騒いだ。
そして、本来マブラヴと同時に発売する予定だったと吉田氏が雑誌で主張していたアージュの次回作(?)、
マブラヴ オルタネイティヴの存在が公開された。
これは某所で、去年の年末頃から噂になっていたことで、「マブラヴは三部構成。二部までを先行発売という形で出して、完結編は夏頃に発売される」と言われていた。
果たして、どのくらいの人がそれを信じただろうか。
だがマブラヴに関しては業界からのリーク情報が実は多々あり、ソフ倫脱退の件や、ゲーム内容の一部についてなど、それらは事が公になる以前から囁かれていた。
オルタネイティヴについて最初に発表された雑誌、電撃姫において、吉田氏は、「マブラヴはそれ自体で完結しています。オルタネイティヴはパラレルワールド的なものとなるので、続編というわけではありません」と公言している。
リーク情報、実際の作品の内容、両者を照らし合わせたとき、これがブラフであったということは、既にプレイされた方々ならお分かりになるかもしれない。

さて、このマブラヴは、君が望む永遠とは正反対の方向性で製作が進められたという話でした。
実際に蓋を開けてみればどうだったか。


      ∧/\              BGM:Rumbling Hearts
    〃^`"^ヽ   
   〈((ノ)リ))) あ が ぁ っ !      
   <ヽパ Д゚ノノ>                  さっさと本題に入れよヴォケが!
     (⊂)丕iつ              __________
     く/く/_|j〉>            /     (((ハヽヽ ) // ̄\\ ≡≡≡3
        し'ノ      __ ⊂∠____________ !(` _ ´ リ |/_⊃___| |\フ ヽ      ===
       人 V ,  ´_  /   / ̄ ̄ __ / ̄ ヽ    __ヽ ̄ ̄ |
    ド カ ッ /∠__/―/-。―/――∠_/__∧  |       | ∧_.| ≡≡≡3
     ∠  へ,========――´=============/⌒ヽ=|.=====| | ヽ ̄〕
          | _   | ̄ ̄ ̄|    _  ″  |⌒| |/   __ /|  )ノ       ===
          )_旧_∈≡≡≡≡∋_旧_″_|| ノ丿_ -――┘ 丿 ≡≡≡3
           \ \_ノ  ̄ ̄ ̄     \ \_ノ

と思われている方は多々いらっしゃるはずなので、さっさとレビューしちゃいます。

○システム
完璧。
まさにこの一言。
多くのソフトハウスが目指さなければならない領域であり、絶対的なまでの理想型だと思います。
キャラが動きまくったり頻度の高いエフェクトは素晴らしいと思いますが、人によってはウザく感じることもあるかも。
でもやってたら、大体慣れてきます。
惜しいのはCGモードでしょうか。
どうやら、見た順番に登録されていく仕様になっているみたいです。
キャラ毎にソートすることはできなかったんでしょうか……。

○音楽
テンポの良い曲が多く、文章の流れに絶妙に絡み合ってきます。
ドタバタシーンでは知らず知らずのうちに身体がリズムを刻んでいたりしました。
一部、版権曲が仕様されていたり、要所要所の音を上げたり下げたりしただけとしか思えないネタ曲がいくつかあるのも聴き所。
ナイツ○ブファイア、熱すぎです(笑)
ボーカル曲は、すっかりアージュの看板娘となった栗林みな実さん。
いいですね、素晴らしいです、つーか愛です。
先日、大阪で行われたアージュのライブにも行きましたが、やっぱりみな実ちゃんは可愛いんですよ、俺、狂いそうなんですよ。
過去、三度ほどライブで生で彼女を目の当たりにしてきましたが、今回はそんなもんじゃありませんでした。
とてもこんなところでは書けない事件が起きたのです。
チケット代4500円? 安いね! 一万払っても良かったと思ってますよ。
しかしその日のうちに昇華することができず、翌日に持ち越されたのは惜しい限りです。
なにせ、俺の妄想記憶媒体にも限界がありますので。
そりゃ確かに人よりは幻視は得意だと思いますが、やっぱり実際の視覚情報と妄想における量産的な情報とでは鮮度が違います。
でも、これでひとつよく分かったことがあります。
やりすぎとしか思えません。
金かけすぎです、アージュ。
体験版であったガチンコネタが無かったのは非常に悔やまれるところですが。
後半、各ヒロインのルートに入ると、いつものアージュのノリよりはやや控えめな感じで、シリアスな展開になります。
でも流石、いたる所でユーザーの心を衝き動かすセリフが散りばめられているのは、もうアージュのお家芸としか言えません。
俺の持ちネタも増えてしばらくは安心できそうです。
ただし、エロは激薄です。エロ目的で買った人には、ご愁傷様としか言いようがありません。
でも純夏のエロヴォイス可愛かったからいいんです。
エロい、ではなく、あくまで「可愛い」なので、誤解なきよう。
もちろん前半の「タケルちゃん! お弁当、食べるよ!」を代表とするヴァイオレンスな怒声や絶叫も、純夏に抱いていた第一印象を良い意味で壊してくれる要素として非常に良かったのですが、後半、というかラストの切なげな純夏の声もナイスです。
声を聴いた瞬間の俺の表情を例えるなら、↓こんな感じ。

      |\::`''‐-、     , -''ニニニニー-、
      |::::::\:::::::::\ //::::::::::::::::::::::::`ヽ、\
    ,--'-----ヽ:::::::::::V::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\ヽ
   _|`''- 、_:::::::::::`ヾ、::::ヽ::::::; -‐─r─‐- 、::::::::::ヽヽ
   |::|::::::::::::::``''‐--、ヾ::/ / / /  .||Vハ`ヽ:::::::l ヽ
   ヽ|::::::::::::::::::::::::::::::::/  / / //   |`゙"´!、 ヽ::::|  !
      |::::::::::::::::::::::::::::/ / / / // ノ、 | |   || | ヽ|  ||
     |::::::::::::::::::::::__/ /| / l//lメl| /lヘ、  || | | | |l |!
    〈`ー──''´::::| / | | |/__!__ |!| /l/ ______川 | | || |
     ヽ::::::::::::::::/:::|/| | | ヽ:::::ノ  '′ ヽ::::::ノ |川|| |ハ!
      ヽ::::::::::/:::/||.| ト!l、    ....:::::...    /リ//|/    萌えー
       ヽ/ヽ/ト|ル! || |ヽ         ,イ/l/〃
               ヽ!ヽ!ルlヽ、. n ,.イ|l/l/リ
                !__|   ` '"´ |/
           ,-r==v'´ |===+==「`ヽ、, --、
          /L!l      |   亞  /   |//7ヽ
         /   〈ヽヽ.   |ニニニニ/    //7  \
         |   ヽ〉 \_ヽ____/__///    _|
        /  \   __| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄_r'>   / ヽ
       l⌒ヽ |/(`ー'‐、ヽ       /ノ⌒!-イ! /`゙!
        |   ヽ| r'> , ---ヽ   ,∠∠  '`i || /   |
        |  l   |(l / rニコ lコヽ/二`ヽ \ ' }_l/     |
        |  ヽ. |}//7    __/  ̄`' ,ヘヽヽ __) /  .|
        |   ヽ |/`'    ノ /       ヽ〉ヽ/ /     |
        |    ヽ|/7 /  /       〈ヽ| /      |


エスカレイヤーの声優さんと同じだという話ですが、やっぱり声優さんってのは凄いと思いました。
演技ひとつでこうも変わってしまうものなのかと。
声優さんといえば、こっそりと有名どころも起用されています。
若本規夫、子安武人、保志総一郎(敬称略)など、主に男性ボイスが熱い模様。
ヒロインの声もそれぞれレベルが高く、相変わらず水橋かおりさんは萌えだったし、彩峰は後半「にゃに?」俺的に心のレッドゾーンに突き刺さり、結論としては、北斗南は神認定であるということが言いたかったのです。
さすが、螺旋回廊で一世を風靡した声優さん。人妻だろうがなんだろうが知ったこっちゃねぇ。萌えればそれで勝ちなんだ!
……シナリオと全然違う話になりましたね、申し訳ありません。

さて、かつてのTo Heartを思い起こさせるかのようなシナリオの果てに、ユーザーはこのゲームの本質の部分をまざまざと見せつけられることになります。
具体的には、純夏と冥夜攻略後。
タイトル画面が切り替わり、そこから純夏の姿が消えてなくなる。
その瞬間の心境はまさに↓こんな感じ。

   ___        _   └,'    //、 l,;;;;;;;、  l\  \,.、;;;;;;;;;;;゙, `、
.┌┘└┐'\┌‐┘└─┐ ヽフ,./ /、;;;ノ ,.,.゙''''  ヽ、;ヽ,"' .\.\;;;;;;|└、
.└.フ ='‐、" ゙'''フ ==、┘     / ,.-,,、 ''''"    ゙''" ,.,、.\:::\;| /|
. /"o ┌_ヽ .)  く__‐''つ )    / /‐'"/ -,.,  「;;;;;;/ ;;;''‐-,,゙、;;;;::、|ヽ,|
. ヽ、,,,,ノヽ,,/  ヽ,,, ̄,,/    /‐'" "''"‐' ゙,-‐'''""'‐'"''''‐-、 l;;l\;;;;|  .|
. ┌┘└vヽ、    / >    /,.-‐, // └ ,.-‐'、''''''''''''''''''、 ヽ",-、\ l;; |
. └┐ ==ヽ、'  / /    └/,.//-'" ,./;;;;;;;;;;;、ー__ヾ  \ ヽ‐、 .| 、|
 /,、┌‐、 ゙l  \ \       /  ,.イ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙、_, ゙゙   ,-、\,.___ノ''",.,゙ヽ、
 \"_.ノ、'''/    \ >     / / |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;>‐---,.,゙''"/、==\_‐、,.、|
    ┃    ┌┐ .゙"     //|   |;;;;;;;;;;;;;;;;/     ̄""''''" " ,.-,.''"/,l
    ┃    | |       /  l.|  .|;;;;;;;;;;;;;;;|    ,.‐'' ,.─-,.,,.、 ヽ ./|
    ┃    | |  /ヽ,   | . l.|  .|;;;;;;;;;;;;;;;|    / / ,.,.,.,.,.,._ ゙"'ヽ、゙、
    ┃    l、ヽ‐"./    > |   |;;;;;;;;;;;;;;|  /.: /‐,.-‐"   ",ヽ ,| `
    ┃     ゙''''',.",     /  |   |;;;;;;;;;;;;;;|  |.: /"'/"    / ヽ,./ |
    ┃        | └┐  ゝ  .|   |;;;;;;;;;;;;;;|  |. /ノ"    /ヽ-// /
    ┃     ,.-┘ "、"  /   |   |;;;;;;;;;;;;;;|   ./'"    /ヽ-././  |
    ┃     ヽ,._°ヘ/  |   |.|  |;;;;;;;;;;;;;|   /     ヽ-‐" / : |
    ┃     ┌、~ _   \ 、| |  |;;;;;;;;;;;;;| ll  |         / ;; |
    ┃    匚  コヽ、/   \‐',ノ,.  |;;;;;;;;;;;;;| ;;;. |         | .;; |
    ┃    ,..┘ "'_"'ヽ,  ,-、\‐"  |;;;;;;;;;;;;|  ;;;. |         | ; |
    ┃    ( o |,.-' /  |‐''"゙゙   |;;;;;;;;;;;;|  ;;;. |_,.--、.      |  |
    ┃    ゙ヽ,='',ヽ‐_"   |゙、.     |;;;;;;;;;;;;|  ;; |ヽ,  ヽ、,..‐、 |  .|
    ┃    ┌┘└┐,ヽ  ゙、`、.    |;;;;;;;;;;;|  ; |、,|   ゙, ヽ.┤|  |
    ┃    ",フ "'__''ヽ,   | ヽ    |;;;;;;;;;;;;|  ; |、.|   |  ヽ,||  |
    ┃    / o |,.,.ノ ノ   | ゙、     ヽ;;;;;;;;;;|  ;;; |ヽ|   |  |、| |
    ┃    ヽ‐-''ヽ-‐"  ,.、| ゙,    \;;;;;;;;|  ;;. |ヽ,   |  .|、| |
                  |   ヽ     \;;;;;;|  、 |"'、   ゙  |、| .|
   ┃┃┃┃         |    \     ゙、;;;;;|  | ゙、 ヽ-,.,.,.,.ノ .| |
   ┃┃┃┃         ゙、    \    ゙、;;;゙、 ゙、 ヽ-,.,.,._  ノ |
   ・ ・ ・ ・         ヽ、     \    ゙、;;゙、 、,.,._   ""~ /
                   ゙、      \   \:゙、   ,--"、ヽ‐/
               __   ゙、       \   ヽ-‐'"    ヽ |
               / \   ヽ         \          /
              | . |  \ ゙、         \        /

一体、どうなってしまったのか!?

前回と同じネタをやりつつ、コンプリート後レビューへ。



コンプリート後:レビュー
※もう言うまでもないと知りつつ以下はネタバレしまくりなので未コンプな方に注意しつつ兄チャマのハートはチェキされちゃいました♪
今回は各キャラ毎の感想を、エクストラとアンリミテッド両方を交えた上で書いていきたいと思います。

○鑑 純夏
良い意味でも悪い意味でも、一番期待を裏切られたヒロイン。
体験版をやる前まではここまでアドレナリン分泌させまくりなキャラだとは欠片も思っていなかったんですが、実際に蓋を開けてみれば、主人公をどつき倒すわ、やたら怒るわ、叫び声は「あがぁっ!」だわ、車に撥ねられても三年眠らないわ、とにかく「君望」との違いをユーザーにまざまざと見せつけてくれます。
言わば、遙と同じ位置づけにありながら、対局に位置するヒロイン。
前述にあるように、声による恩恵もあるかもしれませんが、もう可愛いくて可愛くて仕方ないです。
「タケルちゃん、お弁当食べるよっ!」(ブチ切れ気味に)とか言われてみたいよ。
武と純夏のやりとりが、さながらコントのように展開していくので、何度読み返しても飽きることがありません。
「ナメクジに謝れ!」21世紀におけるMVP賞を捧げたいとすら俺個人的には思っていたり。
そんな彼女ですが、後半、温泉旅行イベントのあたりから愛らしさに加速がかかります。
武と二人でお風呂に入るシーンの純夏は必見です。
特にエロシーンでもないのに勃起しました。
その後、冥夜がいなくなり、窓越しに想いを伝える純夏に、完全にやられてしまいました。
多分、俺内部で遙超えたかも。
この声優さん、なんでこんなに切ない声を出せますか。
俺も思わず切なげにモニタに語りかけてしまいましたよ。
肝心のシナリオ的には大したことないというか、こんなものというか……正直、期待していたよりは下回っていました。もうちょっと冥夜絡みで、修羅場なイベントがあっても良かったと思います。
ただこの二人の場合は、正々堂々と武を奪い合うといった感じで、どっちが勝っても恨みっこなし的な、君望ではまず考えられない展開であったので、仕方ないのかも。
しかし、このシナリオはただの前座にしか過ぎなかったのです。
アンリミテッド編では、純夏は登場しません。出てきたとしても、夢の中とか回想とかくらい。
何故、アンリミテッドに彼女が存在しないのか?
アージュ自らが公言した、「マブラヴは純夏のお話」という言葉。
そう、マブラヴは何ひとつ終わってはいないんです。
全ての謎は、オルタネイティヴ編へと続いていくのです……。

○御剣 冥夜
製品版をやって思ったんですが……あちこちでも既に言われていますが、体験版と声優さんが違うのでしょうか?
話によると、体験版の冥夜の声はみずいろの進藤さんと同じ人だったとか。
でも確かに、体験版よりは演技が上手になっているような気がします。
さて、冥夜についてですが、俺内部での第一印象はあまり良いものではありませんでした。
どうにもこういう喋り方をするキャラがあんまり好きじゃないんですよ。
ただ、これも製品版をプレイしていくうちに見方が180度変わり。
初めての料理に挑戦して失敗し、部屋に閉じこもるシーンで思わず涙。
あーもう、冥夜かわぇぇぇぇ〜、と。
純夏の、冥夜の、両者がそれぞれ武に寄せる想いにはまさに甲乙つけ難く、後半は孝之症候群(タカ・シンドローム)に陥ることしばしば。
どっちも好きなんだよ畜生!
それゆえに、純夏との共通シナリオの多さは残念でなりません。
冥夜ルートに至っては、最後の選択肢で純夏を選べばそのまま純夏EDに行けるという有様。
というか、最後の選択肢までまったく同じシナリオを辿ることになるのです。
恐らく、究極の選択をユーザーに行わせるためにこういう構成になったのでしょうが、それなら冥夜ルートからの純夏EDへの派生はノーマルという形にして、純夏トゥルーは別に用意すれば良かったのではないか。
何故それが出来なかったのかというと、やはりオルタネイティヴの存在があるからでしょう。
これは個人的な見解も混じっていますが、本当の意味での純夏トゥルーEDは、マブラヴのトゥルーEDと同義に考えて良いのだと思います。
しかもこの冥夜シナリオ、最後の最後で鷹嘴においしいとこ全部もってかれてるし。
あれはどう考えてもやりすぎだと思います、アージュさん(笑)
その後のエピローグでも、月詠がおいしいとこ総取りかましていく始末。
ふんだりけったりですな、冥夜。

○榊 千鶴
プレイしている最中、頭の中にずっと浮かんでいたのはTo Heartでした。
シナリオの内容もまさしくそんな感じ。
そのせいか、やっていて非常に懐かしい気分になれました(^-^;
これこそ「王道」であると再認識させられました。
メガネを取って髪の毛をおろしたらめっちゃ可愛いのもお約束。
「○○って言うなっ!」のニュアンスが激しく好きです。
書きながら思い出して萌え悶えてる俺のことはほっておいて、続きをどうぞ。
委員長とたま、この二つのシナリオに関しては、「To Heart」を代表として築かれたエロゲにおける「王道」を見事に再現していたと思います。
これをちょっと踏み外せば、とんでもないシナリオに転がってしまうのも委員長シナリオ。
例えばこれが君望だったら、武と母親の肉体関係がなし崩し的に成立し、親子で武を巡って、お互いの本音と建前のアルティメットバトルが展開されていたはずです。
さらにこれが螺旋回廊であったなら、委員長は幼い頃に母親が連れ込んだ男に犯されていた過去を持ち、そんな委員長の汚い一面を目の当たりにした武の理性のタガはあっけなく外れ、委員長を自らの手で汚してみたいという衝動に屈した武の行動の逐一をEDENがマークしていてもおかしくありません。
……いやー、良かったね、委員長。
このシナリオと、彩峰のシナリオに登場する茜は、前作の君望をプレイしていればより一層楽しめると思います。
所々で前作での出来事を匂わせる発言などがあったりと、優しさに変わる前の時間の中で過ごしていた茜たんを知っているユーザーならば、誰もが感慨に浸ることになるでしょう。
成長したよね……とても高校三年生の考えとは思えません。
あれだけ色んなことが起これば、誰だって否応無しに成長するって……。

○彩峰 慧
「にゃに?」
ウェワッホゥ!
「タケルはお馬鹿さんだね〜」
イゥェヤt(略)
いいですね、こういうなんだかよくわからないキャラ。
それでいてさりげなく、肩に手を置いただけで軽々とこちらを投げ飛ばしてくれる武闘派。
前半や、アンリミテッド全般では、どちらかといえば影の薄いキャラではあるものの、エクストラの専用ルートでは全シナリオ中で一番萌えたかもしれません。
声が素晴らしいです。ぼそぼそっとした声音でありながら、メリハリの効いたトーンに、純夏の声とはまた違った方向性で脳みそとろけそうになりました。
「キスするぞ」
とか、そんなん囁かれたら俺、発狂しちゃうぞ?
一番わけがわからなくて、ある意味一番キツい性格の彼女ですが、全ヒロイン中で一番甘えん坊なのも彼女でしょう。
お姫さまだっこを要求してきたところで俺はそれを確信しました。
お姫さまだっこといえば。
とにかく重いものを、十分ほど持ち上げてみてください。腕が疲れて、感覚がなくなるまで。
そして、おもむろに荷物をおろします。
それから手のポジションを、荷物を抱えていたときと同じ位置に戻します。
できればこの時、精神状態は禁欲七日目以上であり、何かエロいものを閲覧した後であり、ちょっと妄想するだけで勃起してしまうくらいが望ましいです。
ほら、両腕に誰かの重みを感じませんか?

○珠瀬 壬姫
やっぱり北斗南は素晴らしいと思うんですよ。
螺旋回廊を愛しているユーザーならば、彼女は最後に取っておくのが通であると、俺は没後社長に激しく同意したい。
お嬢様キャラからロリキャラまで、その声の演技の技量はとてもエロゲ声優だけに止めておくには惜しすぎます。
俺的にはエロゲ声優で最も評価している方です。
それだけ螺旋回廊が強く心に残っているということでもあるのでしょうけれど(^-^;
というかですね、「いたっ、いたっ、いたっ」
とか、エロボイス以外の何物にも聞こえやしないんですが、俺には。
「当時は理性も記憶もないですか〜?」
とか言ってる普段のたまももちろん良いのですが、エクストラ後半や、アンリミテッドでの長距離射撃シーン手前の涙混じりの演技は圧巻でした。
と、いつの間にか声優レビューになっているので話を元に戻します。
これも委員長シナリオと同様、エロゲにおいてシナリオが重視されるきっかけの一端を担った作品の代表作、To Heartを連想させ、それと同時に、そういった作品が年月を経るごとに減ってきているという事実に、愕然とせざるを得ませんでした。
奇抜な設定、ファンタジーと紙一重の世界観、やけにリアルな人間ドラマ――これはエロゲの、近年におけるライトノベル化を意味している。
その傾向が悪いとは言わないし、むしろ正当な進化として受け入れてはいるのですが、久しぶりにそういった系統のゲームをプレイして、思わず懐古的な気分になってしまったというだけの話です。
つーか話戻るどころかまた脱線してやがるし。
このシナリオは、自分の身の回りのことにも言えるのではないでしょうか。
自分が必死に打ち込んでいるものがある人なら、もの凄く共感できる話だと思いました。
俺も文章書きの端くれなどやっておりますが、そういう意味ではこのシナリオは痛かったです。グサグサっと何度も突き刺さってきました。
自分がそれを始めようと、これからもやっていこうと決意した理由――動機。
人生の岐路に立たされたとき、疲れたとき、自分が分からなくなったとき……そのときこそ、それが何だったのかを振り返ってみる時なのではないでしょうか。

○アンリミテッド
と、長々とレビューしてきましたが、純夏と冥夜をクリアした段階で、そんな余韻に浸る間すら与えられず、ユーザーは混乱の渦へと叩き落とされることになります。
タイトル画面から純夏が消え、初めからを選ぶと、いきなり選択肢が現れます。
アンリミテッドを選んだ瞬間、さながら今までの世界は無かったことになったかのように。
そこには戦火によって焼き尽くされた街並みが広がっており、世界は血と硝煙の匂いが燻るあからさまなまでにミリタリーなものへと変貌を遂げていました。
これが、アンリミテッド。
マブラヴの本編とも言うべきシナリオです。
いきなりこの世界へと飛ばされてきた武は、そこが夢の中だと信じて疑わず街を徘徊するが、学校に赴いてみれば、そこには見慣れない建物が。不審者と思われた武はその建物に身柄を拘束され、名乗らなければ死ぬよりも辛い目に遭わせるぞと脅迫される。
それから独房に監禁された武の前に、彼のよく知る人物、香月夕呼が現れる。
だが、彼女は武の知る夕呼ではなかった。この世界に存在する、全く別の「香月夕呼」なのである。
彼女は武に、自分の言うことをなんでも聞けばここから出してあげると言う。
首を縦に振った武を待ち受けていたのは、現在地球を侵略してきている宇宙生命体「BETA」との戦闘要員として「戦術機」と呼ばれる二足歩行ロボットに乗るため、横浜基地の訓練兵となることであった。
訓練学校には、武にとってはつい先日まで学舎を同じにしていた同級生たちの顔ぶれがあった。御剣冥夜、榊千鶴、彩峰慧、珠瀬壬姫、鎧衣尊人――美琴。
だが、誰ひとりとして、武の知っている「同級生」の彼女ではなかった。
そしてその中に、鑑純夏の姿はなかった。

あらすじだけを書いて見てみれば、ガンパレードマーチやエヴァンゲリオンなどの作品を連想してしまうわけですが。
実際に全体的なノリもそんな感じで、軍事モノ特有の説法じみたセリフが次々と飛び出します。
最初、アンリミテッドの存在を知ったときは、武はもっと絶望に打ち震えて、それこそエヴァのシンジのようなキャラになってしまっているのではないかと懸念を抱いたりもしましたが、やっぱり武は武でした。ここがひとつ、大きく安心したところですね。
生まれ育った世界の違いによる価値観の相違などで、武とヒロインたちは衝突を繰り返すのですが、ヒロインたちはそんな武の特殊な部分に興味を引かれ、いつしか彼女たちにとって、非常に大きな存在へと変わっていきます。

ぶっちゃけた話、面白いです。エクストラよりも(個人的には)。
熱中する余り、時間を忘れてしまうほどプレイしてしまった作品は久しぶりです。
だからこそ、悔しいのです。
この作品が、非常に中途半端な状態で終わってしまっていることが。
人類全員を救済するはずだった計画、オルタネイティヴ4が破棄され、ほんの一握りの人間を宇宙外へと脱出させ、地球と残された人類ごとBETAを殲滅してしまおうという計画、オルタネイティヴ5が実行に移されたところで、この物語は終わりを迎えます。
この時点で、まだ多くの謎が未解明のまま残されてしまっているのです。
地下19階S4レベルフロアにある脳の正体は――
社霞の正体は――
この世界で白銀武が既に死んでいるとは、どういうことなのか――
そして、オルタネイティヴ4とは――
確かに、エクストラの香月先生の並列コンピューター云々やら因果律量子論やらの話や、アンリミテッドで得られる情報をまとめていけば、ある程度の憶測は立てられるかもしれない。
ここで、エヴァンゲリオンという作品を思い出して欲しい。
第24話までに多くの謎を散りばめたはいいものの、実際にTVで放送された最終回は、そんな謎とはまったく無関係の内容。
のちに本来の最終話を劇場で公開するとまで言い出し、当時は話題になったものである。
しかもその劇場版も、「間に合わなかったから」という理由で、TV版の総集編と、劇場本編の前半のみを先行公開するという形をとっていた。
これはそのまま、マブラヴにも当てはめることができるのである。
謎という名の大風呂敷を広げ、その状態で舞台を閉じ得るもっともらしいEDを用意し、風呂敷をおっぴろげたまま作品を終わらせてしまったのだ。
マブラヴをプレイされた、全ての人が確信したことだろう。
オルタネイティヴはただのパラレルワールドなどではない、マブラヴは何ひとつとして終わってはいないということを。
正直、裏切られた気分ではあったが、それでも俺はもうすっかりこの作品を好きになってしまっている。
先が気になってしょうがない。
今、我々にできることは、アージュが仕掛けたマブラヴという名の罠に自らの意志で飛び込みながら、まだかまだかとオルタネイティヴの続報を待つしかないのである。

○総評
霞鬼萌え。
やっぱみな実たん最高です! 俺狂いそう! アヒャッ!(゜∀゜)
演技が下手だなんて言うな!
あれが彼女の精一杯なんだ。
それを受け入れられないというなら帰れ!(激暴言)
そら日常会話で「あが〜〜〜」とかつぶやいちゃいますよ畜生。
朝起きたとき、夜寝るとき、いつもMy妄想フィールドでウサ耳をぴこん、ぴこん、あふぅん(*´Д`)躍動させている霞のしっぽを指で弄びながら「ばいばいな〜」と声をかけるのは、もはや息を吸うにも等しい行為。
これは、そうだ。あのときに似ている。
毎日、部屋に張った遙のポスターに口づけていたあの日々。
やはり、俺はみな実たんの呪縛から抜け出すことはできないのか。
いや、抜け出すなど愚かにもほどがある。喜んでそれを甘受しようではないか。
信じていれば、いつか次元の壁だって超えられるはずだ。
さぁ、勇気を出して――アドベント!

霞について書くのを忘れていたので、慌てて書いたらこんな内容になってしまったことをお詫び申し上げます。
というかですね、霞シナリオはなんでないねんコラ、と……。
アージュ。貴様らはほんとに何も理解(わか)っちゃいねぇ。
オルタネイティヴには期待しておりますぞ。

       
総合 シナリオ グラフィック サウンド 萌え度 純夏俺の妄想内部でとんでもないことになっている霞
採点不能 採点不能 92点 97点点 80萌 あがぁっ!とてもすごい

オルタネイティヴが出ないことには、総合とシナリオに関してはなんとも言えません。
またそのときに、恐れながらマブラヴ全体としての評価を下させていただきたいと思います。