CROSS†CHANNEL  Flying Shine

心の勃起をしたことはありますか?

ちなみに勃起のことを、身内では最近、「ボキータ」と呼ぶ。
イタリアンなんだかメキシカンなんだかもうよく分からない。
いわゆる、「ち○こ」を「おちん○ん」と表記することによって、女子供にも親しみを持って口にしてもらえるような単語を追究し、そして思いついたのだろうが、この発案者は病んでいる(誉め言葉)ので、そういった一般的な概念が当てはまるとは思えない。
別にそんなことはどうでもいいんです。

心の勃起――すなわち、「奮い勃(立)つ」という意味においては、見たままの意味と、ここで説明している意味とは、よく似ているのかもしれません。
人は性的興奮以外であっても勃起する。
男に限らず、女でも。
目先の快楽に溺れたいという意味においても、両者は類似していると言わざるを得ない。
このゲームをプレイすることによって、俺は幾度となく「心の勃起」を体験した。
欲望への渇望。
竿をしごきあげ、絶頂へと辿り着こうとするその猿じみた行動。
脳を浸食してくる溢れんばかりの情報の奔流をオカズに、必死でマウスをクリックする。
ただ一点、物語の結末という名のオルガスムスに到達するために。

過去に、どのくらいそのようなゲームが存在しただろう。
大多数のエロゲーユーザーが頷きそうなところでは、「ONE」が挙げられるだろう。
あのゲームもまた、現在のエロゲー世界におけるADV方式を生み出した先駆者的存在であったことは認めざるを得ない。
さらにそれ以前では、「YU-NO」などが、業界に革命を起こした作品であっただろう。

どちらも、かなり古い作品である。
それでも今尚、人は熱くそれらの作品を回顧し、語り合う。
不朽の名作と呼ばれるモノたちである。
容易く人を狂わせる世界。
再度、述べよう。過去に、どのくらいそのようなゲームが存在しただろう。

幾月幾年を越え、2003年9月26日、絶対的な狂気を湛えた世界は顕現した。
「天使のいない12月」や「月は東に日は西に」など、他にも注目作があった中、そのソフトは密やかに発売されていた。
俺はと言えば、例に洩れず、大衆が期待してやまないタイトルにばかり目を向けていた。
そのことが、今となっては悔やまれる。
心はこんなにも勃起したがっているのに、挿入すべき穴を見つけられず右往左往していたのだ。

10月の後半になって、俺はこのゲームに着手した。
竹箒の日記で奈須きのこ氏が絶賛していたのがきっかけだった。
俺にとって奈須きのこ氏というのは、プロも同然の文章書きである。
そして俺もその道を志す者として彼を尊敬していたし、越えたいとも思っていた。

その彼が告白したのである。
「絶対に越えられない壁と出会った」と。
文章書きのみならず、創作(またはそれに類似する何か)に魅入られた者であれば、それは決して遭遇してはならない恐怖の怪物であることを本能的に理解している。
壁はつまるところ、乗り越えることで人を成長させる試練である。
だが、超高層ビル並みの壁を越えることができるか?
これには、そういう意味があると俺は感じた。
だからといって、それを避けて通るという選択肢は、創作者の概念には存在しない。
怖いもの見たさとは違う。
純粋に、面白い作品と出会いたいという好奇心が、絶望へと誘うのだ。

……と、この時点でこのゲームをいかに評価しているかお分かりいただけたと思う。
過去にレビューした作品群から、俺の好みの傾向を察することができて且つ、自分もまた同じような趣味を持っていると自覚しておられるならば、今すぐここでブラウザの「戻る」をクリックして退場していただきたい。
そして迷わずにショップへと走って欲しい。
以下に記された全ての言葉は、このゲームに対する飽くなき尊敬であるからだ。

さぁ、みんなで一緒に心のボキータをしようぜ!
マインドボキータ!



それでも最低限の購入検討者への助言は書かなければならないので。

○システム
画面サイズは640×480。そろそろこのサイズはいい加減、どうかと思う次第。
基本的なものは全部揃っています。ただ、ちょっと使いづらい部分も。
初期設定で音声等が低い音量で設定されているので、大音量で楽しみたい人は注意が必要。
バックログのキャッシュ容量が少なすぎるのは個人的にはいただけない。
また、ログから音声の再生をできるようにして欲しかったです。
音声は、文章表示中にクリックすると途切れてしまうので、うっかりクリック連打してしまう人はご用心(俺のことだ)。
あと、メーカーHPに修正ファイルがあります。必ず適用しましょう。
詳しくは試してないので分かりませんが、これがないと永久ループしてしまうとか。

○音楽
絶対にあの曲は「世界にひとつだけの花」のパクリだと思うのだがどうか。
全体的に高レベルですが、いまいち高レベルになりすぎていないところが逆に心地よいです。
「天使」のレビューでも書きましたが、ゲーム音楽はあまり自己主張の激しい曲はそぐわないと思うので。
最初は不満に思っていても、後半でシナリオと音楽の絶妙なトランス具合に、きっとやられてしまうことでしょう。
ボーカル曲は1曲のみ。
EDでしか流れません。
しかもおまけの音楽モードでは再生できない罠付き。
サントラ発売する気満々ですな。
シナリオライターが作詞をしているだけあって、歌詞は微妙にネタバレを含んだような感じになっています。
個人的には、何度リピートしても涙腺が刺激されてしまうような名曲。
是非、この物語に陶酔し終えた果てに堪能していただきたい。

○シナリオ
シナリオライターは田中ロミオ氏。
山田一の別P.Nであるという噂もあるが、真偽は定かではない――というのが巷での定評ではあるが、そのあたりについてはちょっとした経路から情報を得てほぼ確信しているので、どうでもよかったりします。
どっちの意味で? というのは特に語らない方向で。
話を戻します。
ゲームの期間は一週間。
夏休みで放送部の合宿から戻り、新学期スタート――というところから物語はスタートします。
第一印象は、普通の学園モノ。
ノリは、ONEの前半が結構近いものがあるかもしれません。
主人公(黒須太一)がかなりのエロ狂で、女の子とエンカウントすれば後先省みずセクハラ行為に及び、パンツを見ればきのこに飛びつくマリオのようにボキータ。
他にも業界的(世間的)にもかなりグレーゾーンなギャグ(毒)をのたまったり、見ていてかなり愉快です。つーか馬鹿です。
言葉で罵られることに興奮を覚えたり、パンツを見たときの発狂具合など、自分に近くて鬱。
とまぁ、そんなノリが性に合わない人は、このゲームはスルーしても良いかもしれません。
逆に楽しめる人には、心の底からお薦めしたいです。
あと、「YU-NO」、「ONE」、「終末の過ごし方」(ちなみにこれは俺は未プレイなわけですが)、このあたりの単語を聞いて思わず心がボキータしてしまう人には、特に。

○CG
原画は松竜氏。
俺としては初めて見る絵でしたが、繊細というか、線が細いというか、そんな絵のタッチに一目惚れしました。
CGはいわゆる水彩風味な色合いで、よくある「アニメ塗り」に属するCGが好きな人は、ちょっと戸惑うかもしれません。
プレイし終わった今となっては、このゲームにはこの絵柄しか有り得ないと断言できる程です。
Keyのゲームはぶっちゃけいたる絵以外にいくらでも選択肢あるんじゃねぇのかと思うわけで(毒舌)。
激しく蛙信者を敵に回したところで、逃げ。

では以下、コンプリート後レビュー。
妄想トークは……あるのかな。分かりません。いつもぶっつけ本番なので。
今回は未コンプの方は、下記の文章を読むことを厳禁とさせていただきます。
絶対に読まないでください。
絶対っすよ?

一応、ここで点数を。
     
総合 シナリオ グラフィック サウンド 萌え度 心のボキータ
99点 99点 90点 85点 85萌 90点 みらくる☆ぼきーた













念のため余白空け

観音菩薩の手の上で猿のようにボキータ、そして射精
いわば未クリアの状態でこれより下を読むということはそれと同義だということです

見たいですか?

我慢しましょう

ボキータも我慢すれば我慢するほど快感が高まっていくように
でも最近、持続力なくて凹み気味
すぐに萎える

で、北都南はやっぱり神だと思うんですよ
いや、このゲームには出演してませんけど
あんなおよめさんがほしいなぁ

そんな夢想を描きながら、ボキーティングNOW
そう、今まさに

でも今は任意の中のひとにも反応しまくりなわけで
七香はかわええなぁ
カンザキカナリもOKよ
ああ、もう、俺は一体、どれでボキータすればいいんだ

神よ――



















コンプリート後:レビュー

※ネタバレ激しく注意。
まだ未プレイ、未コンプの方はここで退場してください。
「そうか、よし、オナニーしよう」と脊髄反射的にエロ動画を再生できるくらいの気持ちで。
というか、そんな余裕あったら早くこのゲームを買いに行ってください。もしくは、クリアしてください。
でないと数行先でfontタグ7で書かれた強烈なネタバレを読むことになります。
それを読んでしまって尚、エロ動画を立ち上げられない貴方に握手。














































この世界は既に滅亡しています。



正確には、人類が。
主人公を含む総勢8人の放送部員たちは、自分たち以外の人類が絶滅した世界で、ずっと繰り返される一週間を生き続けています。
合宿から帰ってきた日曜の夜(月曜の朝?)からループが始まり、その次の日曜日でリセット。
全員のそれまでの記憶は初期化され、例え前の一週間で誰か死んでいようが、その次の週では何事もなかったかのように生きています。
ぶっちゃけ一周目は、主人公・太一の妄想か、それまで繰り返されてきたループの1例であると考えられます。
どちらかというと前者寄り。
一年前の出来事を織り交ぜつつ、太一にとって最も都合のよいシーンのみをつぎはぎで再現されたのが、一周目です。
巧妙に、人類が滅亡していることを隠蔽したトリックに、「見事」と感嘆せざるを得ません。
つーか、身震いしました。
発狂しそうにもなりました。
愉悦に唇の端も綻んだことでしょう。
一周目のラストで、太一はラジオの電波に乗せて「生きている人、いますか?」と問いかけます。
そこからOPムービーが流れ、最初に戻って人類が滅亡していることが説明されるわけです。
さらに物語を進めるにつれ、登場人物達の異常性(作中では「群青色」と表記)についても掘り下げられていきます。
ぶっちゃけ全員が精神疾患者(一部、違うかもしれない者もいる)。
太一はヒトを演じているだけで、その実は一番重症だったりとか。
そんな太一が、放送部員達との触れ合いを望み、永遠のループの中で限りなくゼロに近い可能性の中でハッピーエンドを目指して足掻く――成長していくストーリーです。

ここまで読んでしまった未プレイ・未コンプの方。
あれだけ読むなと書いたのに読んでしまった貴方が悪いのです(爆)
なんて軽く意地悪なことをしつつ、続きいってみましょう。

一応、キャラ別に分けていきます。
個別EDというものは存在しないのですが、過程だけを見ればなくもないという感じなので。

○桐原 冬子

群青色:極度の依存症
CROSS POINT(純化)編での印象では、甘えたがりで無意識下で口に入れられたものは何でもしゃぶってしまうような少し幼児チックなところも感じられ、数多くのプレイヤーが発狂したことでしょう。いつもの俺みたいに。
つーかエロかったです。昏睡中のフェラ。
是非とも試してみたいシチュエーションではありますが、現実にやると噛み切られそうなリスクも伴う諸刃の剣。素人には冗談抜きでお薦めできません。
実践する前に、まずは指でご確認を。
で、気の強い勝ち気な甘えん坊娘な上、お尻に「せいえきべんじょ」とマジックで書かれるようなエロっぷりを見せてくれる彼女ですが、『送還』編で明かされる、太一と冬子の過去に萎えた人もいたことでしょう。
彼女は自分に優しくしてくれる存在に病的なまでに依存し、しかもその対象が他の人と親しくしているのが我慢できない、といった傾向があります。
対象に自分を繋ぎ止めておくためなら、何でもします。
本編中であったのは、自分の腹を刺して、だくだく出血しながら太一の家に押し掛けたりとか。
ぶっちゃけ、螺旋回廊2にも同じようなシチュエーションがあったりなかったり。
なんで曖昧な言い方なのかというと、それが出てきたのが付属のCDドラマだったからですが。
アレを聴いて激しく嫌悪した俺にとっては、かなり痛々しい話でしたね。
今となっては身内との笑い話のネタにしたりしてたせいか、あまり抵抗はないんですけど。
最終的に彼女は、太一と寄りを戻すか戻さないかギリギリのラインで『送還』されてしまいます。
そうしないと、太一に依存した状態で元の世界に還してしまうことになるから。
元の世界に戻った彼女は、これからどのようにして生きていくのでしょう。
他に依存できそうな相手が見つかったら、あっさりそっちに転んでしまいそうな気がしないでもないですが。

○宮澄 見里
群青色:極度の自傷症候群
ぶっちゃけ、みつ○みさ○(マテ
この鬼のように濃い登場キャラクターの面子の中で、一番あっさり感の漂う人なのではないでしょうか。
ゲーム中、登場人物たちの「全うな狂気」を表現していたのも彼女だと思います。
しかも、あっさりと飛び降りるし。
前半は普通のギャルゲーキャラですが、『送還』編で友貴が彼女を「裏切り者」と呼んだ理由が明らかになるあたりから盛り上がってきます。
このあたりは冬子と一緒ですね。
普通にやっている限りだと、犯罪は犯罪なんだから親だろうがなんだろうか警察にチクって当然なんじゃねーの? という印象を受けてしまいますが、やっぱり生きていくためには手段なんて選んでいられないわけで。
友貴的には姉が原因で足を怪我したのだという後ろ暗さがあったというのもあると思いますが。
何より残念なのは、桜庭は『送還』されるときに過程こそギャグに走っていたものの、最後にはビシッと締めてくれたのに対して、友貴のあっさりとした送り返され方はやや残念です。
てっきり祠で姉弟二人、抱き合って許し合うのかと思っていたのですが。
それはそれでどうかなぁという気も……まぁこれはこれで。

○佐倉 霧
群青色:他人の本質を見抜く鋭い観察眼
それ自体は群青色(精神的疾患?)と呼べるものではないのですが、彼女の場合は自虐的な性格のために、何でも悪意的な方向に解釈してしまうところに問題があります。
それ故に敵と味方を分別したがり、前者には容赦ない敵意を、後者には過剰なまでの信頼感を以て接します。
前者二名とは異なり、『送還』編までおあずけとなる設定はなく、CROSS POINT編で大体が明らかにされます。
というか、太一と豊(霧の兄)の過去が大半なのですけど。
個人的には二人の間で起こった出来事というのをイベントCG一枚で簡単に表現して欲しかったかな、と。
我が侭を言うなら、女装太一を犯している豊の絵。
男を女装させて犯す、というのも螺旋回廊に通じるものがあるのですが、まぁそれはいいです。
霧編ラストで太一のいいなりになることを贖罪とする道を彼女は選んだわけですが、この堕ち方に納得いかない人も多いのではないでしょうか。
個人的には好きなシチュエーションなのですけど。
これについて語り出すと凌辱ゲーム議論になりそうなのでやめておきます。
これでも俺、螺旋回廊天使説を唱えていますので。
話は変わりますが、俺はあんまりこういう勝ち気でボーイッシュな外見のキャラには第一印象では反応しないのですが、霧の場合はなかなかどうして。
だって言葉で罵倒してくれるんですよ?
「罵倒されまくってギンギンになっていた。マゾだから」という太一の気持ちがよく分かります。
屋上で太一に化け物と告げるシーンはゾクゾクしまくっていました。
いや、リアルで言われたら相当凹むと思いますけどね。
というか、あのあたりからこのゲームの印象が変化すると思います。
過去に太一が霧に、一度だけ登場したみゆきという放送部員の群青性について語り出すあたりから、この学校がどれだけ特殊な空間であるかをプレイヤーは理解することになります。
何気に舞台背景の説明としては、重要なシナリオだと思います。
それはそうと、『送還』編の霧の可愛いこと可愛いこと。
ショートカットにミニスカートの組み合わせは神であると、今ここに高らかに宣言したい。

余談:豊の中の人(ぶっちゃけベジータ)と見里の中の人は結婚してるんですね。
さっき知りました。
ぶっちゃけ三分前。

○山辺 美希
群青色:処女(違 サイコパス
この一言で済ますならどいつもこいつもそうなんですけど。
不自然なほど明るく社交的で、自分を極端に大切にする。
これはどちらもサイコパスの診断で多く見られる傾向らしいですが、人間なんてみんなそんなもんですしね。
彼女は一見ハーマ○オニー似の、下ネタOKでも処女だけは譲れません♪ な萌えっ娘ですが、実は太一に最も近い――というか、疑似太一的な性格の持ち主です。
保身のためなら親友だって笑って殺せる、人の皮を被った化物。
でも下ネタOK。
萌え。
話が逸れた。
太一の本質の場合、人を傷つけて自分を満たす傾向があるため、いわばプチ太一的な性格といったところでしょうか。
そんな彼女でも、屋上から落ちそうになった霧を助けたり、せっかく長い間、固有させ続けてきた自分という存在を太一と共にリセットを迎えたり、ラストでは霧が群青を出て行ってしまうことを快く思っていなかったり、少しばかり「そういう傾向が強い」というだけで、普通の人間と何ら変わらないと思うんです。
霧を平気で殺したりできるのも、ループ世界の中で気が狂いかけていたとしたら納得できますし。
度の過ぎた人間の本質は、時として異端視される、ということでしょうか。
二周目からのラストで、美希が「あいつを殺して!」と叫びますが、その対象が太一のことなのか、曜子のことなのか未だに分かりません。
確かに暴走した太一を放置しておけば皆殺し確定ですが、太一を殺すと曜子が自分たちを瞬殺する、ということくらい、固有の美希なら理解していたと思うんですが。
殺すなら、曜子→太一の順番なのではないかと。
基本的に太一に危害が及ばなければ曜子は動かない(例外もある)ので、太一に全員の注意が行っている「今」なら曜子を無力化できるとか、そういう意味なのかなーと勘ぐってしまうわけで。
まぁ、どっちも殺さないとあの状況で美希が生き残る手段はないわけですけど。
ぶっちゃけ初期化美希より固有美希のが萌えると思う人、挙手!
「危ない、危ない」で勃起した人、今すぐボクと握手!
同じエロシチュで勃起できる仲間のことを、「ボキータ同盟」として俺は結束したい。
メンバーは「何本目」で表記。
お気に入りのセリフ「まーふーまーふーはーいーやー」

○支倉 曜子
群青色:???
強いて言えば、完璧すぎることでしょうか。
何をやらせてもパーフェクトにこなし、殺人技術を体得していて、太一以外の人間に興味がない。
そりゃ一週間で殺人技術マスターした上に14人を相手にして皆殺しにできるような相手を目の前にしたら、嫌でもそいつ以外のことなんてどうでもよくなるわな。
このへん、オーフェンとか読んでる人だったらニヤニヤしながら読めたのではないでしょうか。
考えてみると、曜子が外国に行ってまで戦闘訓練を受けていたのは、いざという時に暴走した太一から身を守るためであったのかもしれません。
一周目では最後以外に姿を見せず、文章中で名前が出てくるだけでいまいち印象に残りませんが、二周目ラストでトラウマに。
霧編などでは表に出てくるものの、それ以外のシナリオではほとんど暗躍してばかりなので、存在自体がレアキャラと言わざるを得ない部分もあったりなかったりするのですが、『送還』編でその本質を存分に発揮してくださいます。
つーかぶっちゃけマナマナじゃねぇか。
残る7日間、いかに相手を出し抜き合い、無力化できるかという駆け引きを見せられるのかと思ったら、二日目であっさり曜子に負けて自室に監禁。
マナマナほどの異常性は感じられませんでしたが(排泄表現等も控えめでしたし)、やっていることはマナマナよりある意味えげつないかと。
連日に渡る寸止めは発狂しますって。
正直、俺は自力で7日間の寸止め禁ヲナをやったことがありますが、5日目くらいから仕事をしていても射精することしか頭になかったりしました。
何度、職場のトイレで抜こうと思ったか。
やり遂げる俺も今にして思えばすげぇな。
最後はどんでん返し、曜子に対しての切り札を全投下して、解放へと至ります。
死体の山で佇む曜子のCGを見てプレイヤーが抱く先入観を逆手に取った見事なトリック。
ゲームだからこそ為し得ることができたシナリオだと思います。素直に拍手。
とにかくこのキャラもエロいことエロいこと。
フェラシーンで髪の毛を掻き上げているCGもそうですが、何より素晴らしかったのは屋上での絶頂回数申告。
あれを見て気づかないみみ先輩はおかしいと思います(爆)
いつもならおかずに使っていそうなものですが、その後でみみ先輩が屋上から飛び降りるので萎えました。
夕方、学校の屋上から眼鏡の女生徒が飛び降りるって描写が、どうも俺内部でトラウマになっている模様。
小学校のときに飛び降りがありましたが……あれかなぁ。
まぁどうでもいいですね。

○黒須 太一
群青色:エロすぎ
敢えて訂正する気はありません。だって間違ってないもん。
こんなにエロいやつ、見たことねぇよ。
パンツを見て「おおおおおおお」と我を見失うあたりは共感を持てますが。
こいつが全うな生活をしていたら、行き先は群青学院ではなく留置所だと思います。
セクハラ常習犯で。
この作品をプレイする前、おねがい☆ツインズが俺内部でトレンドなアニメだったのですが、その主人公のストイックさに惚れて歴代NO.1の主人公の座に輝きました。念を押しますが、俺内部で。
まさに黒須太一はその対極の位置に存在しているわけで。
こいつも充分、歴代NO.1です。
お気に入りのセリフは、初期化美希に言ったことで、
「俺の家の敷居をまたいだ瞬間、お前は非処女に限りなく等しくなる」
とかそんなような。
他にも名言は山ほどありますが、敢えてこれをチョイス。
ここまで読んだ人で、俺が相当この主人公を気に入っていることはお分かりいただけたはずです。
無駄にエロい奴、大好き。
それはいいとして。
EDまで辿り着いた方は、さぞやあのラストに首を傾げられたことでしょう。
太一はあの後、元の世界に帰ることができたのか。
それとも、永遠に(死ぬまで)あの世界で生き続けることになったのか。
そして、寝ている太一の側で行われた放送部員たちの会話は……。
普通に考えれば、あれはループ世界側(世界B)の太一に殺された放送部員たちで、元の世界に帰ろうとしている太一にお別れを言いに来たと考えるのが自然でしょう。
太一を殺してしまえば、記憶はリセット。祠にはノートも残されていないので、世界の謎に太一が自力で気づく可能性は無きに等しい。
そうすると永遠に太一はループ世界で生き続けることになってしまいます。
太一が眠りに落ち、ブラックアウトから蝉の声、それからアンテナのCG。
目が覚めてみれば元の世界だった、と考ええるのが自然だと。
ただ、こういった見方もできます。
あの声は、幾度ものループの中で殺された、もしくは何らかの手段でループ世界への干渉を果たした放送部員たち(世界Aの)の残滓で、太一を殺せば彼の目にあった能力が復活して、元の世界に帰ることができる。
でも実体を持たない彼らには何もできないので、太一にお別れを告げに来た、と。
放送部員たちの言う「私たちの側」がどちらであるかのよって、太一が最終的にどちらの世界に留まることになったのかが分かれるのですが、そのあたりがどちらとも取れる書き方をしているため、結論を下すのはプレイヤー次第ではないかと。
個人的には、そのまま素直にあの蝉の声の意味を受け取って良いと思ったのですが。
同じくこのゲームをプレイした友達は、「あそこであっさり帰っちゃうと、戦い続けようという太一の決意を踏み躙っているようで嫌だ」だそうで。
なるほど、確かに。



○総評
俺の中では、歴代にプレイしてきた全てのゲームを越えました。
とまぁ、かなり大絶賛な感じですが、正直、人を選ぶゲームだと思います。
人によっては「それは言い過ぎだろう」という意見もあれば、「つーか、つまんね」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
得てして作品とは、そういうものです。
個が絶対の主張など、できるはずがありませんから。
それでも俺は、このゲームを全てのエロゲーユーザーにプレイして頂きたいと思っています。
「エロゲーなんてヌけてなんぼだろ?」「シナリオなんていらねーよ」という意見もごもっとも。
それでも、ここに喜びがあります。
エロゲーという業界に手を出して良かったという、ひとつの喜びが。
自分がやって面白かった作品を、他人に薦める。
もしくは、既にプレイを終えた人とこの気持ちを共感し合うために。
それが、一レビュアーとしての責務だと思っています。

こういう作品が思い出したように出てくるから、エロゲーはやめられねぇ!
プレイし終えた後、皆様の口からこの言葉が聞けることを期待して。


     
総合 シナリオ グラフィック サウンド 萌え度 心のボキータ
99点 99点 90点 85点 85萌 90点 みらくる☆ぼきーた

 
99点止めなのは、今後これ以上のゲームが現れることを期待して。
俺的には100点をあげても良かったです。
ちなみに総合は他得点の平均ではなく、最終的なこのゲームに対する評価です。

ザウスから発売予定の田中ロミオシナリオ、「最果てのイマ」は買います。
こちらもCROSS†CHANNEL並みの出来であれば、レビューすると思われます。

あとはClover Heart's。
ただの萌えゲーじゃないみたいだし、これも機会あればレビュるかもしれません。

つーか金髪ツインテール黒基調ゴスロリってだけでボキータが止まらねぇ。
また来週。