Fate/stay night  TYPE-MOON



その昔、「月姫」という同人ゲームがありました。
当時の俺は宝物を手に入れたがごとく大絶賛していたのですが、やはり同時期ぐらいからプレイし始めた人は多かったわけで。
ほら、この手のゲームって、あんまり周囲に広まると面白くなくなるじゃないですか。
ええ、独占欲みたいなやつです。
しかし、あのゲームが「知る人ぞ知る」程度で終わってしまっては勿体ないというのも心の中では認めてしまっていたわけで。

思えば、あの頃から急激にゲームを製作する同人サークルが増え始めましたね。
俺の身内にも2サークルほどあります。
あんまりこのことについて語ると彼らが痛い(色んな意味で)だけなので触れはしませんが。
問題は、そのサークル群の中でどれかひとつでも「月姫」を上回るような、あるいは「匹敵」するに至っている作品があったか、ということで。
俺自身はその当時に出回ってきた同人ゲームをまったくプレイしていないのでなんとも言えませんが、巷の評判からその解答は容易に察することができようというもの。

触発されたから、という理由だけでは決して到達できない世界があります。
個々が彼らを凌駕し得る才能と技術を持っていたところで、同人とはいえゲーム、ゲームとは集団・共同作業。
俺もゲームではないですが、同人サークルというものに関わっているので、それがいかに難しいことかは少なからず理解しているつもりです。
互いが互いを高め合う、ひとりが傷つけば率先して肩を貸し合うような。
たったひとつの確かなものを手に入れるために彼らが費やした努力は、そうそう真似できるものではないと俺は感じます。

なんていうお説教じみた話は、どうでもよくて。
そんな彼らが作り上げた世界に再び触れることができる、いや、できたことを、素直に喜びたいのです。
正直、作品自体への期待は大してなく(矛盾しているかもしれませんが)、ただ純粋に、彼らの手によって再び「ゲーム」が産み出されたことに歓喜したわけです。

ぶっちゃけ、「月姫」のメディアミックス化についてはどうでもよかったりします。
アニメ化だなんだと調子乗ってんじゃねーよー、という声も世間ではあったりしますが、俺はそこまで酷くないです。
有名になった、アニメになった、それで彼らが有頂天になろうが頭に乗ろうが、俺にとってはどうでもいいのです。
だって、それは彼らの本質ではないのだし。

作品を作り上げることへの情熱。
彼らのその異常なまでの一途さが羨ましく、妬ましく、美しいものであると感じてしまった。
例え発売後も「Fate」が「月姫」の二番煎じと呼ばれていようが、龍騎のパクリだと罵られていようが、そんなことは俺にとっては二の次で。
そう感じてしまったからには、もうどうしようもないわけで。



と、いうわけで。
今回はTYPE-MOON商業進出初作品、「Fate/stay night」です。
事前情報はほとんど摂取しませんでした。というか、エロゲ雑誌をここ数ヶ月ほど全然購入していないのだから、情報を得られるはずもなかったり。
最後に買ったのは、メビウスの新作が載ってるというだけで購入したピュアガールですか。
芽衣子様はエロいと思うんですよ。
いきなり脱線しかけたので軌道修正。
前置きにも書いた通り、全然期待らしい期待はしていませんでした。
といっても、「これは絶対に面白いはずだ!」という意味での期待とはまた違う意味での期待をしなかった、ということですが。
出来るだけ「月姫」を最初に手に取ったときと同じ気持ちでプレイに臨んだつもりです。
ただ、それでもやっぱり旧作と新作の「比較」は生じてしまうわけで。
今回のレビューではところどころそういった箇所が出てくるかもしれないということを、あらかじめ記しておきます。

ゲーム内容、あらすじ等はHPで確認していただくとして。

○システム
吉里吉里2というスクリプターを使っているようですが、「月姫」のみならず他のゲームでもよく使われているnscripter(だっけ?)より快適に感じました。
画面演出とかぐりぐりと動くし、他にもフィルターをかけたりできるんですかね? よく分かりませんが。
アージュの画面演出も目を見張るものがありましたが、個人的にはこちらの方が落ち着いていて好きですね。
機能的には一通り揃っていて文句ありません。さわり始めは何か不満があったような気がするのですが、やっているうちに全然気にならなくなったのでどうでもいいことなのでしょう(爆)
CG鑑賞モードが少し特殊な作りをしてますね。お気に入りのCGをクリップボードに張り付けておけるとか。並び順もいじれるみたいですし。
「月姫」をやっている方ならばおなじみの、神速スキップも健在です。
プレイ時間の長いゲームは、もはやこのシステムがないとできなくなりそうなくらい素晴らしいスキップです。
スタッフロールを見てみると、本編の演出とかスクリプトとか、つくりものじ氏がやってるんですね。
なるほどなぁ、となんとなく納得。
それでもあえて不満を挙げるとすれば、タイガースタンプをクリックしたら、タイガー道場リプレイが出来ればいいのに、と思いました。

○CG
非常に偉そうですが、武内さん上手くなったなぁ、と(笑)
以前はこう、「漫画絵」という感じだったのが、ちゃんと「ギャルゲー絵」になってきているような感じがします。
女性キャラとかごっつエロいですよ。
立ち絵だけで何千枚も用意するのは確かにキ○ガイだと思いましたが、イベント絵の数もそこらのエロゲメーカーに見習って欲しいくらい豊富にありました。
ほら、やっぱりイベントCG多い方が得した気分になるじゃないですか。
キャラクターとマッチしたデザインばかりで、流石、と唸らさせられます。
戦闘シーンの構図とかかなり好みでしたね。セイバールートのVSライダー戦とか、凛ルートの後半全般とか……。
あと、セイバーの尻がとてもエロかったです。
なんなんですか、あの尻は。
尻フェチである俺にとって、彼女の尻は凶器そのものでした。
あと、全体的にお腹のラインとかいいですね。あのふっくらとした曲線が(趣旨が変わってきたので中断)

○音楽
良くもなく悪くもなく……いや、どちらかといえば良いのですが、一曲一曲が短すぎてメリハリがないというか。
ループして同じ小節ばかり聴かされているような錯覚すら覚えます。
戦闘シーンの曲は素晴らしいと思いました。
このへんは、基本的にああいう楽曲が好きなので。
「エミヤ」はシナリオと相俟って、美しいとさえ思えるほどです。
あとは、桜ルート終盤で流れていた曲とか好みでした。
主題歌はどうにもいまいち。
もうあと一押し欲しいって感じですか。
ED曲は……もう少し明るめでも良かったかな? というのが正直なところです。

○シナリオ
とにかく長い。
公式では平均60時間と言われていますが、俺も実際にそのくらいかかりました。もちろんプレイ中の不慮の事故(寝落ち)も含めて。
かといって1プレイあたりの時間をもう少し削れなかったのか? というと、うーん……このシナリオはこの長さでいいような気もしてきます。
とにかく読者の牽引力が半端じゃなく強い。先が気になって仕方がないです。
これは文章書きとしての才能と技術であると思うのですが、その反面、不満もあるわけで。
セイバールートで特に顕著に現れていたと思うのですが、説明文が長すぎます。
聖杯戦争のルール説明とか、サーヴァントのシステムとか、セイバールートの前半はもうこれだけで埋め尽くされていたんじゃないかってくらいです。
これは「月姫」のアルクェイドシナリオのときにも言えることですが。
上手いことこの説明を話の展開と混ぜ合わせていたら、もう少しテンポが良くなっていたのではないかと。
俺はこれが奈須きのこ氏の欠点だと思っているのですが……どうなんでしょうね?
その代わり、そこを抜ければ後は怒濤の展開が押し寄せてきます。
戦闘シーンはかっこいいし、勿論ギャルゲーとしての萌え要素も充分に兼ね備えています。
ゲームの流れとしては、基本的には一本道。分岐でバッドエンドが40種類も用意されており、大分別的なルートは三通り。
セイバールート、凛ルート、桜ルートの順番でクリアしていくことになります。
バッドエンドを回収すればタイガースタンプが貰え、全部集めるとちょっとしたおまけが見れます。
イリヤのブルマは勃起せずには見られません。
あー、匂い嗅ぎてぇ。

今回はちゃんとコンプリート後レビューを書きます。
なので、これより下はネタバレを含みますので、未プレイ・未コンプの方は早々に退場されることをお薦めします。

この時点で言えることは、

○プレイ時間がやたら長いのはもううんざりだ
○月姫は好きじゃない
○あれやこれやと設定のごちゃごちゃした話は苦手
○そんなことよりも早くエロいの見せろよ、回想リプレイで一刻も早く(;´Д`) ハァハァ
○イリヤが攻略できないなんて有り得ねぇ!
○グロいのは文章表現だけとはいえ、ちょっと……
理想という概念に何らかの精神的欠損(大小問わず)を負っている

以上のいずれかに当てはまる方は、むしろプレイしない方が良いかもしれません。
それでも気になるというのなら、是非ともプレイしてみてください。
一応、俺個人の点数をここに挙げておきます。

総合 シナリオ グラフィック サウンド 萌え度 ブルマの匂いは
94点 95点 93点 80点 75萌 パンツの匂いをさらに凶悪化したものである















コンプリート後:レビュー










ここから先は未コンプの人が立ち入って良い領域ではありません。
ネタバレなんて気にしない、またはプレイする気はないけど話の内容自体は気になる、という方以外は、すぐさま戻ってください。

それでも立ち入りますか?




























良いでしょう。
ならば存分に後悔しろ。



アーチャーの正体は衛宮士郎(主人公)。士郎の理想が英雄化されたもの。
凛がアーチャーを召還したのは、凛が士郎を生き返らせるときに使った宝石を彼が生涯持ち続けたため。
最後の敵は前回から生き残っていたサーヴァント、アーチャー。真名をギルガメッシュ。
言峰神父がマスター。
聖杯の中には「この世全ての悪」があり、彼の目的はその解放。
普通の人間が幸福と感じることのまったく逆、悪性により生じる事象にしか快楽を見いだせない。
十年前、衛宮切嗣によって殺されているが、聖杯から洩れた「この世全ての悪」に触れ、黒い心臓を生成されて生き延びる。
月姫でいうところのシエルと同じような立場であり、戦闘能力もそれなりにある。
セイバーの正体はアーサー王、アルトリア。宝具は聖剣エクスカリバー。
聖杯を手に入れて、過去に自分が王になったことが間違いであったと考えていた彼女は、その事実を無かったことにしようとする。
だが、士郎の生き様というか諸々を経て、聖杯を破壊し、元の時代で死ぬ直前のまま時間の止まっている自分に戻り、人としての終わりを甘受する。士郎のいる時代に残ってグッドエンド、とか無し。
桜ルートでは早々に真アサシン(小次郎から生まれたアサシン)に敗れ、以後アンリマユに囚われ、黒セイバーとして桜に使役される。
イリヤの正体は聖杯そのもの。英霊の魂を吸い取ることで聖杯として機能を果たす。
桜は幼い頃に間桐の家に養子に出された。凛とは実の姉妹。
十一年に渡って虐待されている。犯され、虫責めに合い、義理の兄である慎二にも犯されている。
前回の聖杯戦争の聖杯の破片を埋め込まれ、イリヤ同様聖杯としての身体を持つ。
桜ルートで出てくる黒い影の正体は、桜自身の影。
敗れた英霊を取り込んで聖杯として機能していくに伴って、自己やら身体機能やらあらゆるものを損失していく。
アンリマユに支配された彼女は、士郎が投影した第二魔法の宝石剣によって圧倒され、最後は凛が自分を刺して、桜はそれを見て改心。
桜エンドは、イリヤによって根元の渦を閉じられ、別のものに魂を移された士郎がライダーによって救出され、ロンドンから帰ってきた凛と桜と元の姿形に戻るにまで至った士郎と、眼鏡をかけて萌え風味なライダーと共に桜の花を見上げて終了。



思いつくがままにネタバレを書き連ねてみました。
未コンプな方、後悔しましたか?



では以下、各エンディングを振り返っての感想。

○セイバー(Fate)
とにかく説明が長かった、という印象が強いです。
上記でも述べた通り、もう少しここらをうまくまとめていればと悔やまれます。
話の展開的には、まさに王道というか、正統派というか。
”真っ当に進んでいれば”この結末に至る、って感じですか。
凛ルートや桜ルートと比較すると、少しインパクトに欠けるのは仕方ないかと。
それでもラストのセイバーvsギルガメッシュ&士郎vs言峰のザッピングシーンは圧巻。
両者共、同じ宝具を使用して敵に打ち勝ったのは、まさしくカタルシスの塊であったと。
お気に入り戦闘シーンは、セイバーvsバーサーカー(アインツベルンの森)。
最後にバーサーカーが喋るあたりなんか特に。
セイバーのキャラクター自体への印象は、「食いしん坊」で決まりです。
凛ルートの10日目あたりで、士郎が「セイバーの時代の食事ってどんなんだったんだ」と尋ねるシーンで、
「……………………雑でした」
とつぶやくシーンなんかその辺りを顕著に表しているかと。
初回特典の封入本にもあるように、「少しでも食事のランクを下げると恨めしげに見つめてきます」というのは想像するだに発狂できます。
ただ食い意地が張っているだけではなく、味のランクにまで拘っているあたり、彼女の性格を物語っていると思いますが……。
あとは、とにかく尻がエロかったです。
たとえ二次元の世界とはいえ、あんな美しい尻を見たのは初めてだ。
お腹のあたりのラインなんかは少し幼ささえ残しており、口をだらしなく開いてそこからこぼれ落ちた精液を胸元に垂らしてしまっているCGなんか、美しくもあり背徳的でもあり、早い話が勃起した。
処女ではあったが、実は童貞ではなかったという点にも注目したい。
ふたなりセイバー。良いですね。
一体、その皮をかぶった快楽を知らぬ肉棒(俺個人の勝手な妄想)で、いかようにして女を味わったのか。
そして女を知ってしまい、覚えたての肉棒を、消滅するまで夜な夜な一人で慰めているセイバーの姿とか、もうなんていうか「俺の顔に出すんだ!」って感じで。
もし現代で実現されていたのならば、ガーターベルトの着用は絶対であると主張したい。
白いガーターベルトにふたなりは、他に例えようもないほどピッタリな組み合わせだと思うのですが、どうだろうか。


○遠坂 凛(Unlimited blade works)
やたらめったら士郎とアーチャーがかっこいいルート。
正直、奴らの熱さにヒロインである凛自体が食われてしまっていたというか。
このルートではころころとサーヴァントのマスターが替わったりするので、プレイしていて全然飽きませんでした。
最初から最後まで怒濤の展開の連続で、アーチャーの正体が判明するところなんて鳥肌モノです。
衛宮士郎が抱いた理想は所詮ただの借り物であり、間違いだったと主張するアーチャーと。
それでも間違いなどではないと自分の意志を貫く士郎。
二人が斬り合うシーンは、思わず感動して涙すら流してしまいそうな勢いでした。
舞台にアインツベルンの城を選んだのも、流石と思いましたね。
やはり二人の決着のシーンは、”ああいう場”でなければ盛り上がりも欠けようというもの。
そんな二人の死闘を、友人に「どんぐりの背比べ」と言われて激しく萎えました。
納得してしまってさらに萎え。
まぁそれはいいんです。
このシナリオの戦闘シーンは、セイバールートにも増して熱い。
ランサーvsアーチャー(教会前)とか、手に汗握りながら読んでいた記憶が。
それも早速2chではネタにされていて、またしても萎え。
どのようなネタなのかは各自、自己責任で以て確認してください。
お気に入りの戦闘シーンは、士郎vsアーチャーは当然として、サーヴァント同士の戦いでいうなら、セイバーvsアサシンですかね。
まさに「小次郎、敗れたり」な感じで。
士郎vsギルガメッシュで、アンリミテッドブレイドワークスを発動させるところが、やはり印象に根強く残っていますね。
もうかっこよさを通り過ぎて、惚れそうでした。
ぶっちゃけ勃起しながら読み進めていましたし。
と、ここまで書いてまったく凛のことを書いていなかったことに気づいたので、軌道修正。
一言で言えば、俺好みなキャラクターです。
俺がどんなキャラクターをこよなく愛しているかは、過去のレビューを読んでいただければお分かりになると思われます。
早い話が気の強い罵倒系?
ほら、基本がマゾなんで、俺。
ただ、凛の場合は俺の求める理想に今ひとつ及ばなかったというか。
気の強いキャラではあっても、正統派すぎるというか。
うーん。やはりパンチラがなかったからでしょうか。
あれだけのミニスカートであれば、戦闘中にチラチラチラチラ見えていても良さそうなものなのに。
既に俺の某友人の中では、凛=田村ゆかり的であると固定化されつつあるし。
お気に入りのセリフは、「信じられない、男の子に泣かされた」ですかね。
そこで発狂しました。
もうね、「泣かせてぇー!」と。
そうですよ、これですよ。気丈な女の子は、辛いことがあってもその場では平静を装いつつ、家でひとりめそめそ泣いてるのがいいんですよ。
……あ、いかん。これじゃ「お風呂でお湯をパシャっと顔にかけて泣いてないもんっ」と変わらねぇ。
どうすればいいんだ。
だんだんと私的な話になってきたので次いきましょう。

○間桐 桜(Heavens feel)
今までの2ルートとは、ころっと雰囲気の変わるルート。
やっていて、とにかくエグい。
痛々しいんですよね、色々と。
桜の過去の話とか、変貌していく様とか、ぐっちゃんぐっちゃん人やらサーヴァントが死にまくるのもそうですけど、何が一番エグいかって、凛ルートの後にこの話を持ってくる奈須きのこの発想がエグい。
衛宮士郎の理想、その果てにアーチャーが行き着いた現実、そのいずれでもなく、たった一人を救うために今まで自分が築いてきたものを捨てる士郎の行動が、何をさしおいてもエグいんです。
その決意はかっこいいと思うし、凄いとさえ思うのですが、あれほど凛ルートで自分を貫き通した主人公像を見せつけた上でこれをやるというのは、プレイヤーにとって何よりも痛いと感じるところなのではないでしょうか。
アーチャーの左腕を移植され、投影を使うたびにどんどん壊れていく主人公。
英霊の魂を取り込み、徐々に人としての機能を失い、義理の兄を殺すことで最後の引き金を引いてしまった桜。
相思相愛の二人が壊れていく様は、痛ましくて痛ましくて。
戦闘シーンは……サーヴァント戦は今までと違い、次々とあっさり決着がついていきます。
派手な戦闘シーンは最後の方にしかなかったし。
敵が敵なだけにしょうがないんですけども。
お気に入りの戦闘シーンは、士郎vs黒セイバー。
思いっきりバッドエンドルートなんですが、干将・莫耶で奥義を繰り出し、最後の最後でセイバーにトドメを刺せずに大往生する士郎の姿は、是非ともイベントCGで見たいと思いました。
言峰vsアサシンも意外性があって良かったです。
聖言で臓硯を浄化するシーンは演出こそ地味ながら、圧巻でした。
言峰といえばこのルートでは全編に渡って深く関わってきていて、桜やらライダーに精気を吸われた女性を助けたり、士郎と共闘したり、激辛マーボーをかっ食らったり、色んな意味で意外性たっぷりな見せ場がそこかしこに用意されていました。
マーボーのシーンの言峰は素敵でした。
ラストで、最後に士郎の前に立ち塞がるのはやはりこいつしかいない、と言わんばかりに現れたときは身震いしましたね。
何気にこいつが一番おいしいところをかっさらっていったような。
ひとつ言えることは、「俺にもイリヤ抱きかかえさせろと尻触ってるってその手、羨ましいじゃねぇかちくしょう、ウワァァァァン!ヽ(`Д´)ノ」みたいな。
いや、マジで羨ましい。
イリヤがどんなパンツを穿いているのか知らないが、きっととてもやーこい生地を用いているはず。
あー、もう、指とか口とか肉棒とか色んなものを押しつけt(ry
……で。
桜のキャラクターへの印象は、マナマナを匂わせるようであり、月姫の琥珀さんを匂わせるようであり……その実、まったく新たな第三種であるということで俺の中では落ち着きました。
可愛いですね、こういう愛憎の起伏の激しいキャラは。
前半は正統的な萌えキャラを演じており、後半はそれを180℃ひっくり返した感じで活躍してくれます。
加えて、純粋なエロさではFateの中でもNO.1。
士郎と桜、理性も倫理も何もかも吹っ飛んだ状態で猿のように互いの性器を突き合わせる姿は、昨今のエロゲーではなかなか見ることのできないものでした。
ぶっかけCGもちゃんと抑えていて、激しく俺のゲイボルk(ry
それでもエロシーンに何か足りなかったと言わざるを得ません。
語るまでもないでしょう、オナニーシーンです。
自慰に耽るシーンこそあるものの、何故そこにCGが存在しないのか。
確かに、CGのない自慰シーンというのもなかなか扇情的ではありましたが。あたかも第三者としてそこにいて、布団の中でこそこそと自らの秘部を弄っている少女を眺めているかのようだと錯覚させてくれるかのような。
ラストの方で凛を食らい、自分の中で陵辱させるシーンも出来ればCGが欲しかったなぁ……と思うのですが、さすがにそこまでは野暮というものでしょう。
さて、桜ルートは全ルートの中でもかなり特殊な展開をします。
今まで語られなかった秘密とかどんどん明かされていくわけですが、その分、説明シーンも長いわけで……。
それに伴って桜の身体に起きている異変はどんどん進行していくので、読んでいて飽きはしませんでしたが。テンポの悪さはやはり目立ちましたね。
それで最終的には、どうやって収集つけるつもりなのかまったく想像できないくらい士郎と桜、両者に起きている変化を劇的に進行させて、一気にクライマックスまで突っ走ることになります。
先が気になる、という一点においては、凛ルートを軽く凌駕していたでしょう。凛ルートはどちらかというと、先は読めているんだけどむしろそれを実際に読みたくて気持ちが逸る感じというか。
ドキドキしながらクリックし続けてみれば……まぁ、なんといいますか。
もう一言で言うと、
ここまでやっといて、なんで?
って感じです。
物足りなかったわけではありません。
あの終わり方は、あれはあれで良いと思うし、士郎がご都合主義的に復活するのもセイバールートでイリヤが魂の転移っぽいことをしようとしていたことから、あれが伏線だったんだなぁと納得できますし。
眼鏡っ娘ライダーたんは尻の輪郭も相俟って発狂して勃起して興奮したし。
圧倒的なまでのハッピーエンド。とても清々しく、終幕。
にも関わらず、どうしても受け入れがたいというか。
考慮してみたところ、トゥルーとグッド、両方のEDを混ぜ合わせた感じにすれば、納得できていたのではなかろうかと。
最初、イリヤが士郎に「どんな形であれ生きたいか?」という感じの問いかけをしたとき、ああ、士郎はAirでいうところの往人みたいな感じになるのか、と思ったわけです。
「摘んできた」と表現していたところから、ライダーが拾ってきた士郎という存在は、何か花とか芽とか、そういった類のものだったんではないだろうかと想像するじゃないですか。
ここからは完全な俺の妄想になりますが、士郎を桜の樹として生き長らえさせたのだとしたらどうだっただろうか、と。
もしくは、桜の肉体の方の子宮に受精していた子供に転移とか。
どちらもお約束といえばお約束な展開ですが、あそこまで元の形を以て復活してしまうよりかはいくらかマシだったのではないだろうか、と考えてしまうわけです。
セイバーEDでも、彼女を安易に現代に残さなかったあたりに作り手の容赦の無さが見えて、思わず感嘆したのですが……。
と、そんな妄想を描くことさえ無粋の内。
今は、この作品を楽しむことができたことへの感謝と、その余韻に浸るばかりです。



○総評
読み物でありながら、ゲームの形態を取る意義とは何か。
エンターテインメントとは、人の心を掴むこととは何か。
少しだけ、初心に還ることができたような気がします。
それはさながら士郎が抱いた子供じみた理想であるかのような。

面白かった、の一言で片づけてしまうにはもったいないゲームでした。
ここのメーカーの作品は確かに独特な雰囲気を持ってはいるものの、一旦馴染んでしまえばあっという間に中毒に陥ってしまいます。
逆に、月姫はダメだったけどこっちは良かった、という意見も多々あるので。
興味が少しでもあるなら、今すぐにでも買いに走ることをお薦めしたいです。
……と、ネタバレしてるからこの先読むな、と言っておきながら購入を薦めるこの一文は、一体誰に対して向けられたものなのか。
ここまで読んでしまった危篤な方か、一気にスクロールしてここまで引っ張ってきた方か。
そもそも誰かに読まれているんだろうか、ここ。

もし機会があるのなら、スタッフの製作にまつわる苦労話が聞きたいものです。
いずれ原画集とか出たときにコメントが載るのでしょうが。
彼らの製作に対する意気込みと、完成に至るまでに経てきた道程にも、俺が月姫を大きく評価している一因があるからです。

最後に、お気に入りサーヴァント&ヒロインランキング。

○サーヴァント編
1,アーチャー(背中かっこよすぎ)
2,ライダー(存在自体がエロい)
3,セイバー(いっぱい食わせたい)
4,ランサー(この男に狙われたが最後、純潔は守り通せない
5,旧アーチャー(黄金律羨ましすぎ)
6,キャスター(子犬のように捨てられた素顔キャスターシナリオキボンヌ)
7,アサシン(出番少なかったけど何故か印象に強い)
8,バーサーカー(体育館座りの似合う漢)
9,真アサシン(微妙)
アヴェンジャー(アンリマユ)は対象外。

○ヒロイン編
1,セイバー(食わせる前に食われている)
2,桜(単純にあの狂気性が俺のツボでありエロい)
3,凛(そうか、踏んでくれてかつパンチラしてくれなかったのがいけないんだ)
でも実はイリヤが一番射精したい。

○漢編
1,衛宮士郎(アンリミテッドブレイドワークスカコイイ)
2,言峰綺礼(マーボー食ってるシーン見たときから憎めない奴になってしまった)
3,葛木宗一郎(阿修羅のような菩薩のような)
4,(ノーコメント)


     
総合 シナリオ グラフィック サウンド 萌え度 温泉イリヤの見えそうで見えないおムネのぽっちは
94点 95点 93点 80点 75萌 パンツの魅力の前では容易く俺を射精させる

 
次回は、何でしょうね。
しばらく面白そうなゲームがありそうでないような……?
またそのうち、何かやって発狂したら書くと思います。