君が望む永遠  アージュ

注意※ のっけからネタバレしてますのでお気をつけください。      
大したネタバレではないと思いますが捉え方次第なので。
えぇと、当方、エロゲーやり始めて結構経つ方なんですけど。 今までは「萌え〜」だったんすよ。 まさかこんなことになるなんて……。
例えばこんな会話があったとして。

友人「最近どうよ、恋とか」
俺「う〜ん、軽く次元超えたっつーか」
友人「ハァ?」
俺「ん、うん。してると言えばしてるのかもしれない
友人「おお、いいなぁ。誰? 俺の知ってる子?」
俺「お前は一般人だから知らないと思う」
友人「なんだそれ? まさか芸能人ってわけじゃあるまいに」
俺「だったらまだいくらか幸せだったな……」
友人「なによ、もしかして禁断の恋ってやつか? まさか人妻?」
俺「むらかみ逝ってよし
友人「……待て。マジでそうなん?」
俺「違うが。禁断の恋かどうかと聞かれれば、激しくYESと答えるしかないのだが
友人「そうか……辛いな」
俺「お前がそうやって真剣な眼差しで俺を見て辛そうにしてることの方がよっぽど辛い
友人「オッ、なんか臭いこと言ってくれんじゃねぇの」
俺「そんな気分にもなるときだってあるってことさ」
友人「そんでその子の名前は? もしかすると俺も知ってるかもしんねーし」
俺「知らんと思うんだがなぁ……」
友人「いいから教えろよ。そう思ってるんなら逆に言いやすいだろ?」
俺「言われてみればそうだな」
友人「そうそう。で、誰だよ」
俺「涼宮 遙
友人「え、誰だって?」
俺「涼宮 遙
友人「涼宮さんね……どこで何してる人なん?」
俺「今は病院でリハビリしてるな
友人「うわ……なんかどっか悪いのか?」
俺「三年間意識が戻らなかったんだ
友人「マジかよ……」
俺「それでも俺は彼女を愛している。遙のために何かしてやりたいんだ」
友人「辛いな……」
俺「…………むしろお前の一言がナー

というような会話が展開されそうな勢いなのです。
なんちゅーか、もうダメ。 誰か助けて…… そんなわけで今回は君が望む永遠のレビューです。

前回からかなり間があったけど気にしないでいこう(爆)
最初に断っておくと、このゲームは体験版をやって購入を決意したクチです。
俺的にはあんまり体験版って好きじゃないんですよ。元々ね。 なんか途中までやって、さぁこっからは本編買って楽しめやゴルァ、ってのがどうも好きになれません。
それでも今回、君が望む永遠の体験版をやろうと思い至ったのは、このゲームが 螺旋回廊のスタッフの作品だったからです。
もし遙がポリバケツに入ってこちらを見上げて来ようものなら俺は発狂します。
幸いそんなシナリオは無かったですが。近いのはありましたけど(後に記す) そんな経緯で体験版を始めて、見事に引っかかってしまいましたよ。 アージュの策略に。
このゲーム、全二章構成に分かれていて、二章は一章の三年後の設定なのです。
ちょっとネタバレすると、一章の最後で遙が大変なことになります。
体験版では一章の最後までしかプレイできないので、先がどうなったのか非常に気になる仕掛けになっています。
体験版配布から発売まで約一ヶ月の間があったわけですが、この間をプレイヤーにとっての三年間と錯覚させることで、作品世界とのシンクロ率を高めようと試みたのだと思うんです。
俺は見事にそれにハマったクチでした(^-^; 二章で遙と再会するシーンでは涙が止まらなかった。
たとえ現実世界では一ヶ月の間でも、三年経ってようやく遙の笑顔を見れたときの孝之の心境と痛いほどシンクロできました。
個人的には、これからプレイされる方は一章を終了させてから最低でも一週間は間を置いてから再開されることをお薦めします。
人それぞれだと思うので無理にとは言いませんけどね。
全体の流れとしては……。
一章は青い青春時代を舞台に、酸っぱい酸っぱい恋模様が延々と描かれていきます。
今まで親友たちと馬鹿やって過ごしてきた主人公が、その親友のひとり速瀬水月の友達の女の子、マイハニー涼宮遙に告白されます。
恋愛経験の無い主人公はどうしていいかわかりません。
結果的に遙を傷つけ、別れようということに。 そんなとき、水月の言葉で人を好きになる気持ちを理解した主人公は、今度は自分から遙に告白。 二人は今度こそ相思相愛に。
まさにギャルゲー。
萌え炸裂の怒濤のイベント。カードキャプターさ○らとか好きなら絶対LOVEになれるメインヒロイン(爆) このメインヒロインとラブラブになって発狂寸前のところまでプレイヤーを萌えさせたところで事件が発生します。 この時点でプレイヤーは別の意味で発狂します。
そのまま第二章へ。
舞台は三年後。主人公はフリーター、かつて親友だった水月と付き合っていて、なんと言うかこの時点でゲームの方向性が見えてしまうのがなんとも不安感を煽ってくれます。
そう、ほとんどのシナリオに関してもどろどろの三角・四角関係が過剰なまでに演出されていくのです。
そして選択肢は常に漢の二者択一。
例えば、遙は三年経った今でも主人公のことが好きです。
プレイヤーは水月ルートを進もうとしています。
選択肢 1:キスする 2:キスしない
もういいよね。 ゴールしてもいいよね。 初めてエロゲの女の子に恋をしたこの夏。 ぼく、いっぱいがんばった。 だから、もうゴールしてもいいよね……。
バッテリーの充電が完了しようが何しようが遙が好きなもんは好きなんじゃあああ!
……当然水月ルートに進むためには「キスしない」を選ばないといけない(と思う)ので、この選択する瞬間、まさにクリックの0.1secの瞬間に心に激痛が走ります。
これだけなら他のギャルゲーにも似たようなことはよくありますが。
そのときの遙の状況があまりに儚すぎて、どうしても躊躇ってしまうのです。
一章で遙に萌えていれば萌えているほど、選択は苦痛と化していきます。
それ以外でも、選択肢は非常に良い具合に配置されていたなと思いました。
出来ればプレイされる際には是非、攻略など見ないでやりましょう。
自分の意志で選択肢を選んでください。
でないとこのゲームの楽しさが半減してしまい兼ねません。
幸い難易度は低めなので、こまめにセーブしていれば問題ないレベルなので。
長くなってきたのでそろそろ、みずいろ同様各部分的評価。

○システム
一言であらわすなら、かゆいところに手が届くシステム。
音量調節、CDかPCMの選択、フォント選択などはもちろん、ウィンドゥカラー、ウィンドゥの大きさまで変えられる親切設計。
ホイールを回すだけでメッセージ回想に飛べる他、音声リプレイもついていてクリック連打で迂闊にも飛ばしてしまったメッセージを音声付きで読み返せるのは非常に良い。
セーブはサムネイル付き、自分でメッセージを入れることができる。
最初はセーブ個数は10だけど、10個目をセーブすると勝手に11〜20まで増えて、恐らく1000くらいまでセーブ可能だと思われます。
もしかしたらもっといくかもしれないですが試していません。
ただ、強制終了などのバグは多かったですね。
安定するときは安定してくれるんですが。

○音楽
どの音楽も、イントロを聴くだけでシーンを思い出してしまうほど強烈に印象に残っています。
ボーカル無し曲では「誰にでもある明日」が一番好き。
ボーカル曲はOPとEDはどちらもかなりのものです。
昨今のゲームの主題歌と言えばI'veが主流だったけど、それを凌ぐほどのインパクトがありました。
……ていうか本当に言いたいことはそんなことじゃないんだよ。
栗林みな実が好きなんだよ!!
本人を夏コミで見ましたが……可愛かったです。 浴衣姿でした。
ライブ終わってアージュのブースに戻って、きゅっとこう胸元を直して肩をすくめて照れたようにしてるみな実さんの姿が忘れられません。
人はこの気持ちを恋と呼ぶのでしょう。
誰か俺の恋愛相談に乗ってください(爆)

○CG
原画はバカ王子ペルシャ氏。
relicとかで何度か絵は見たことがあったものの、君が望む永遠ではえらく絵柄が変わっていました(^-^;
非常に万人受けする絵になってると思います。
君がいた季節の絵はちょっと生々しい絵柄に見えたので、なおさらそう感じるのかもしれないけど。
立ちグラフィック数も多いので、通常会話も見ていて退屈しなかった。
イベントCGも全体的には多いのだけど、遙のCGがもう少し欲しかった気も。

○シナリオ
ストーリー概要については前に述べた通り。
キャラクターの心理描写が非常に巧妙で、会話の一言一言ごとに各キャラの心理的な動きが感じられて、特に緊迫したシーンではハラハラさせてくれます。
おかげでかなり人間関係的に生々しく表現されています。
声優さんが半端じゃなく上手いので、なおさら感情移入ができてしまうのが良いところであり、ある意味痛いところ。
俺だったら現実世界で孝之みたいな状況になったら1週間ともたずに廃人になれる自信があります。
ただでさえ鬱な展開の連続なのに感情移入バッチリでは、プレイヤーの身がもちません(爆)
恋愛経験が豊富な人ほど、もしかしたらのめり込めるかもしれません。実体験に三角関係とかでいざこざがあったとかって言う人ならなおさらね。
ただネックなのは、主人公・孝之の優柔不断さ。 あっちの子を振ろうと決意したのに、実際にその子と会えば「やっぱり俺にはできない……」とかほざく様は見ていてぶん殴ってやりたくなることもしばしば。
でも振ったら振ったで、「貴様、漏れの遙たんを何傷つけてやがる!」と思っちゃったり(爆)
孝之の気持ちもわからなくもないんですけどね。
そこにムカついちゃう人にとっては、あまり鬱になることは無いかもしれませんね。
なんかまとまり無い文章で申し訳ないんだけど、とにかく言えることは孝之にシンクロすればするほど楽しめるシナリオだと思います。


コンプリート後:レビュー

みずいろ同様、各キャラ評価にいきたいと思います。
以下は容赦なくネタバレしていきますので、未プレイの方は覚悟してお読みください。

今回は萌えランキング順に書いていきたいと思います。

まずはワースト1(爆)
○星乃文緒
 
BADENDではなんじゃこいつ殺すぞコラ、と思ったけど、蛍EDではいい奴になってて評価急上昇するものの、結局ワーストNo.1。  
蛍EDの最後、お墓の前で彼女が出てきたとき、本気で嬉しいと感じた。  
遙EDでも、泣いて遙の退院を祝福していた彼女こそが本当の彼女なのだと思う。

○天川蛍  
シナリオが「加奈」っぽくてなんか萎えたんですよ。
いきなりセックスしましょうと言ってくるところとか。
いくら伏線とはいえ個人的にはちょっとね。  
ロリは好きだけどここまでのものはさすがに萌えられません(^-^;  
でもなんだかんだ言ってもEDでは泣いてたんだけどね(藁  
なまじ死ぬ瞬間を見せていないものだから、どんな感じで天に召されていったのか想像すると、凄く悲しい気分になれる。  
きっと彼女は最後まで笑っていたと思う。

○玉野まゆ  
可愛いんだけどね……可愛いんだけど……。  
まことかっ!? とか御意っ! ってのは面白いんだけど……。  
シナリオが王道で弱かったせいか、萌え度ではワースト3です。  
どっちかと言えば頭の髪飾りのが方が萌えるし(爆)  
でもEDの笑顔は激萌え。
なんかどっちに転んだらいいのかわからなかったです、こいつだけは(^-^;

○穂村マナマナ愛美  
螺旋回廊思い出しまくり。  
後半の狂人っぷりは、見ていてある意味壮観だった。  
つーか部屋にはなんもないくせにギャグボールは持ってる女なんて嫌だ(^-^;  
孝之の全てを奪っていく様は憎しみすら覚えたけど、今ならわからないでもない。  
俺が涼宮遙をそうやってでも手に入れたいと願っているように(核爆)  
キャラ的には嫌いなんだけど、シナリオは面白かったのでこの位置に。  
EDには激しく爆笑させていただきましたがね(藁  
実はこのシナリオだけ二回やってます。短期間に。  
このシナリオ中の孝之が、某鹿児島の友人によく似ているんですよ(何?  
だから遙のことは僕に任せてクダサイ。(私信(笑)

○速瀬水月  
学生時代はよかったのになぁ……。  
3,2,1、はいっ! 
が萌えとかゆってた俺にサヨナラ。 今でも萌えだけど。  
彼女のエロCGがどうも好きになれない。
エロCGを見て逆に萎えてるくらい。  
あそこまでエロが多くなければ、あるいはもう少し評価上がっていたかも。  
遙以上に一章でのイメージが強すぎるのがいけないんだろうか……。  
水月ルート以外での彼女がほとんど邪魔者的な扱いなのも要因と言えば要因か。  
ハタから見てるとむかつくこともあるけど、実は遙よりも心が弱くて、孝之のそばにいるために自分のすべてを捨てていくのを見ていると、どうしても彼女のことは嫌いになれません。  
このゲームで一番かわいそうなのは、彼女なのだと思います。

○大空寺あゆ  
こいつ最高(笑)  
ゲーム中、数々の名言を吐き出しては我々プレイヤーを感嘆の渦に巻き込んでくれます。  
その中でも特別、輝きを放っていたお言葉がこれです。↓
「はい、すかいてんぷるでございます」  
ありえへん(爆)  
もうやった人だけ理解してください、このへんは。  
別人モードの声音と、観覧車の中でのCG、それらが俺にとってのこいつのすべてです(^ ^;

○涼宮茜  
とても不器用な子だと思う。  
見ていてはがゆくなること多数。  
彼女の孝之を責める言葉は痛かったけど、そうしていくうちに彼女の中でも自分のことで気づく部分があったりして、孝之のことを好きだと告白したときには儚すぎてかわいそうにすら見えた。  
遙よりも、水月よりも心の弱いキャラだと思います。  
妊娠EDでの「二人でそう決めました」というセリフ、それと雨の中で孝之に抱きしめられるシーンでの「わたし……なにかいけないことしましたか?」の二つが強烈に印象に残っている。  
声優さんの演技が絶妙すぎて絶妙すぎて……思わず次元を超えたくなったよ。  
EDの、遙に支えられて泣きじゃくる茜のCG。  
あの涙が、この三年間における最後の涙であって欲しいと思う。

○涼宮遙  
まさかこの歳になって、ゲームのキャラにをすることになるとは思わなかった……(爆)  
某エースコンバット4に萌えで期待している人の気持ちがわかった気がするよ。  
俺にも君と同じくらいの妄想力をください。  
そしたらソッコーで現実捨てて遙に逢いにいきます。
 
いい子すぎていい子すぎていい子すぎて耐えられません。  
お願いだから誰か俺を止めてください(爆)  
とにかくそれぐらい可愛い子です(^-^;  
茜BADでの淫乱遙も捨てがたい。  
基本的に凄く健気な子です。でも本当は、ちゃんと現実と向き合える強い子。  
水月シナリオでの浜辺の別れのシーンは、とても気持ちよく彼女を別れられたと思う。  
水月EDの絵本では完膚無きまでに泣かされた。今でもふと思い出せば泣けてくるほど、遙の気持ちが伝わってきていた。  
クリア順としては遙>水月の順なんですが、その後でもっかい遙をやりました。あのままではすっきりしなくて、遙にとっての「ほんとうのたからもの」を実現させてあげたくなったんですよ。  
遙EDでの最後のCGは、まさしくそれだと思う。  
俺は今まで現実でも恋愛経験は割と積んできた方だと思うけど、現実においてもゲームにおいても、本当にいつまでも幸せになって欲しいと思えたのは遙くらいでしょう。  
この子だけは幸せでいて欲しい。  
それが俺じゃ駄目ですか?(爆)  
ドラえも〜ん、ぼくにもしもボックスをおくれよぉ〜。

○遙余談  
ここ数日、有限会社没後の社長と三日にわたって長電話で君望トークをしていました。  
計十数時間は話したと思うんですけど、内80%くらいの割合が「遙」という単語でしめられていたような記憶がございます(爆)  
真夜中に栗林みな実の声をまねて主題歌を歌って萌えさせたり、裸の遙がおこじょで自分の体を隠してるのを想像させられて萌えさせられたり。  
どっちが先に次元超えちゃうかなぁ? 
ふふ……。  
みのもんたが遙のリボンを装着しているうちは俺を超えられないと思ってください(藁  
この数日間、玄関先で遙LOVELOVEトークを繰り広げていたせいで、僕はまたひとつ自分の住んでいるところが居心地が悪くなってしまいました。  
君望のポスターを張ることにもなんのためらいもなかったです。  
遙の身長を想像しながら扇風機に手をかざして遙を感じて狂った笑いを漏らしたこともいい思い出です。  
そろそろ京都を去りたいです……僕に居場所を下さい(T-T)

○総評  
決して万人受けはしないけど、アダルトゲームをやっている人には是非ともやってもらいたい一品。  
構成、演出、内容、どれを取っても今年度最高クラスの出来だと思う。  
遙シナリオの最後、モトコ先生のお言葉にこういうのがある。
「人生って……面白いでしょう?  
まだまだ辛いことはたくさんあるけど、そう言って、いつか笑えるようになるから……頑張りなさい」
 
このゲームを締めるにふさわしい言葉だと思う。  
そしていつか自分が過酷な状況に陥ったとき、思い出したい言葉でもある。  
本当に色々大切なことを教わったような気がするゲームでした。

総合 シナリオ グラフィック サウンド 萌え度
97点 96点 95点 93点 80萌 100萌

次回は、また旬の作品やったときにでも。
螺旋回廊2はまず間違いなくやると思いますが(´ー`)y-~~