螺旋回廊2  Will

最近、自分がゲームレビューを書くのはある男のためだとはっきりとした理由ができて嬉しいBBBです。
でもね、大悪司のコンプリート不可能じゃないかなと思うんだ、俺。 アレをコンプ=生活の全てを投げ捨てるのと同義だってば。

今回は以前からレビューを予定していた螺旋回廊2です。
前作は色々な伝説を残し、その思い出の数々は我々の心の中で今も熱く燻っている。
その中でも最も熱い一言が、のコレ。↓

「今年(のクリスマス)こそ玄関にポリバケツが置いてあることを祈ってるんやぁ〜」

名言だと思います。
その前日だったか当日にガッツ2をやってらっしゃったような気がしますが。
ポリバケツを中心に繰り広げられる数々の妄想トーク。ってゆーか螺旋回廊をネタに爆笑しあえる俺らがこぇえよ。

何故か俺の中ではポリバケツの中に末莉がいますが、それについて語り出すとレビューの半分を占めてしまうのでやめておきます。

○ゲーム概要
まず主人公格の三人のキャラの視点それぞれをプレイし、各ストーリーで事件に巻き込まれた直後あたりくらいからがいわゆる本編となります。本編は河合 圭一岡本 弘樹の二人の視点、どちらかを選んで何度もプレイして事件の核心に迫っていきます。
両者の共通目的は、1でもおなじみのアングラサイト「EDEN」に誘拐された大切な女性を助け出すこと。
エンディングの種類は全32個。1プレイ2時間、スキップを駆使して10〜20分程度まで削れるので、未プレイの方は頑張って全EDを見てください。
本編でグランドエンディング(計4個)を見て、総合グランドエンディング編を見た後、二つの別視点で始めることができます。
この二つ、片方は君が望む永遠のマナマナを凌駕するほど怖くて、もう一方はなんちゅーかもうダメってくらい萌えます。
これに萌えられる人は確実に頭の中の配線が別経路に接続されている怖れがあります。過去の萌えゲーでもリプレイして、価値観を戻しましょう。ちなみに俺はダメでした。
詳細はコンプリート後レビューにて。

○シナリオ全体的批評
前作にハマった人は、多少なりと落胆された方は多いのではないだろうか。
前作は、どんな選択肢を選ぼうが絶対にハッピーエンドには到達できない(一応、補完ED的な扱いでは存在したが、本編では一切有り得なかった)作りになっていた。凌辱シーンの描写も、送られてくるビデオで一部始終を見せつけられたり、ヒロイン側の視点でストーリーを追うことで凌辱されている側の心理描写があったことでより一層、事態の悲壮さを疑似体感することができた。
今回はそのあたりが一変している。ビデオは健在だったが、肝心のヒロインが堕ちていく描写がほとんどなかったのには残念。
しかも視点が主人公キャラのみに限定されているので、凌辱されている心理描写もない。
Hシーン全体を見ると、俺の評価は前作と比較するとかなり辛い。
しかも今回は「EDEN」に対してかなり攻撃的で、ヒロインを救出することが可能なので、前作と同じノリを期待している人には、最初に述べた通り落胆することだろうと思う。

でも、今作単体で見たなら、かなりの良作だと言える。
誰に見られているかわからない恐怖、インターネットを媒体として秘密裏行われる犯罪、それに巻き込まれ徹底的に堕とされていく女性の姿、つるつるで綺麗な卵の表面と、中身のどろどろとしたモノ、現在の近代社会と長い歴史を積み重ねてもいまだに進化しない人間の精神機構における恐怖のひとつを、この作品は描ききっていると思う。
ひと味違うミステリーサイコホラーを楽しみたいという方にはおすすめです。

ただし先端恐怖症の方、暴力的描写、人体の人為的欠陥などのキーワードを見て嫌悪感や吐き気を催された方はプレイされない方が良いかと。
直接的なCGが少ないのが救いですけど……。

○システム
開発元がアージュなので、君が望む永遠でも使用されているのと同じプログラムです。
あれからさらに改良されているようで、非常に快適です。
ただ、エンディングリストは、君望のときも思ってたけど、だーっとテキスト流すだけじゃなくてちゃんとリスト表示して欲しかった。
何を見て何を見てないか、ぱっと見、わかりづらいですね。
ただこのシステムにより、演出は前作から比べ飛躍的に向上しています。
凌辱現場の目撃や、ショッキングな場面に直面したときなど、結構ドキっとさせられます。

○音楽
かなりサイコちっくな曲が多かったような。テクノ系が好きな人は、曲単体で聴いても結構ハマれるんじゃないでしょうか。
主題歌は毎度おなじみのI've。あとEDも担当されています。あえて言うまでもないですね、非常に良い曲ですよ。
主題歌の歌詞は、発売前にデモを見て、が歌詞を 聞き取りしてますが、これほんまにあってるんか?
螺旋回廊2の発売日に、とカラオケボックスに行ってノーパソで主題歌を流しつつ歌ったりするくらい、我々にとってこのゲームの発売はお祭り同然の騒ぎだったんです。
あぁ、その前にサイゼリヤ(ファミレス)でパッケージをおっぴろげ、二人で箱にキスしようとしているような写真を確かに撮影してもらった覚えが。
一番凌辱されているのはゲームのヒロインじゃなくてのデジカメだと思います。

○CG
原画は南風麗魔さん。
実はこの人の絵は着色済みのものより線画とかラフ画のが好きだったりします。
CGのクオリティ的には結構ばらつきがある、かな?
それでも水準よりは上だと思うので大丈夫です。
立ち絵のパターンはもう少し多くても良かったのでは……。
最近アレですね、女性の原画家さんが多く活躍していますねー。
女性原画家さんの絵は語らずとも独特の雰囲気があるので、個人的にはもっと頑張って欲しいところ。
たとえこないだの冬コミで七尾奈留の態度が悪かろうと。
いたるがいまだにKEYにいようと。
カーネリアンさんはあの夏の日の後、同人を頑張ってらっしゃるのかどうなのかいまいち判断できません。あ、これは身内ネタなんでわからん人はとことんわからんかと。

コンプリート後レビューへ行く前に。
基本的に俺、思いつきで書いてます
その後の文章の校正もほとんどしてません
なので、また暴走すると思います
あらかじめご注意ください。


コンプリート後:レビュー

※もうこの注釈書かなくてもいいかと思うんだけどネタバレ全開なので気をつけてください。
今回は各キャラクターの感想を、ある程度ストーリーを絡めて書いていきます。
……なんて書いちゃいるが、俺はただ梓くんのためだけに伝えたい想いをここに記しているんだってことは一部の人しか知らんはずだ。
OK、行こう。

○氷上 有紗
プレイ前は、螺旋回廊1で言うところの葵と同じ位置づけのキャラだと予測していたが、やっぱりそうでした。
彼女が誘拐されるシーンの演出はかなり秀逸。
テーブルで向かい合っているときのCGは、思わず唇を突き出しそうになったが不意にこれが螺旋回廊だと思い出して萌え萎えしたのでやめた。
終盤、ホテルの屋上で炎の中、鉄パイプを振り上げている有紗のCGは雑誌の紹介で見たときからゾクゾクしてました。実際に見て、なんでそのパイプの標的が俺じゃないんだ! と篠原を恨んだりもしました
想像してください。
「あなたに裏切られたせいで私はこんな身体に……裏切り者! 殺してやる、殺してやる!」 とか叫ばれながら鉄パイプでぶん殴られるんですよ? 裸でさっきまで数日に渡って凌辱され続けていた女に。
ゾクゾクして当然だよね?

○鈴見 瞳子
もう可哀想としか言い様がない。もしかしたら作中で一番不幸なキャラクターなのではないだろうか。
初回特典に同封されているCDドラマで、やっと救われたような気がする。
女性視点での凌辱される心理を唯一描いているキャラではあるが、やはり前作ほどのインパクトはない。
その理由には、最初から「EDEN」の主格が堂々と姿を見せているというのが挙げられる。姿の見えない何者かに追い詰められるというわけでもなく、単純に迫って薬で眠らせてその間に凌辱。少々あっさりしすぎている感がある。
瞳子ルートのEDのひとつで、「EDEN」の誰かの子を身ごもって、買ってきたコンビニ弁当にも手をつけず手首を切って自殺し、三日後に発見されるというEDがあるのだが、バッドエンドではこれが一番好きかもしれない。
人間が絶望していく心理もそれなりに描けていると思う。何より、うろ覚えではあるが、
意味もなく水道から流れる水を何時間も見つめている時もあった。
というテキストには相当くるものがあった。
何気ないことだと思うだろうけど、ただぼーっとして見つめているのではない、というあたりがポイント。
俺も意味なく家族計画のテレカ(末莉パンチラ)を眺めているときもあったが、それはまた別の話。

○岡本 悠里
いわゆる萌えキャラ候補
ゲームを進めていく上で、一番最初にひどい目にあうのが彼女。
友達と海に行く途中で拉致られ、そのまま一週間犯され続けるという展開なのだが、気が付いた時にはもう手遅れという状態なのが残念。
瞳子ではなく、悠里視点のシナリオがあれば良かったと思う。または付け足すとか。
発見・救出時のシーンは結構インパクトがある。死ぬ寸前まで虐げられているようなので、悠里視点がないのが非常に悔やまれる。
ちなみに個人的ベストEDは悠里がご奉仕大特価0円とかなんとかで主人公の家に送られてくるというもの。
0円ですよ? 0円。
そのオークション、どこでやってるんスか?
俺「ほら、遙。わんと言ってごらん?
遙「は、はるか、かいじゅうじゃないもんっ!
俺「それはキャラが違う……さぁ、言ってみろ。委ねるんだ、遙
遙「そんなっ……何よぅ、君望売った分際でそんなこと強要するなんてっ!
俺「ぐあっ!? た、確かに俺にはもうお前を愛する資格はないのかもしれん……BBB改め、マヤウル(お別れの妖精)とHNを変えようと本気で悩んだこともあったさ……」
遙「今はあの子のことが好きなんでしょ? だったらもう私なんて……」
俺「甘えるな!
遙「わっ……!? ち、ちょっと待って、それってむしろ私のセリフだよぅ
俺「愛の形は様々だと言う」
遙「それはそうかもー……」
俺「ご主人様がお手と言えば足を広げ、お座りと言えばフランケンシュタイナーをキメにかかるのは犬として当然の役割であり愛情表現だと思う
遙「な、なによ、それっ! ……て、その理論だとおあずけは私が焦らす側?
俺「そうともよ。俺がこう、ベッドの上に四つん這いになって上半身だけ寝そべらせるから、好きなだけ俺を凌辱してくれ
遙「そ、それじゃ私がご主人様になっちゃうじゃない!」
俺「いや、ご主人様はあくまで俺だ。お前の放てる言葉はあくまで『わん』だけだ」
遙「それでほ、ほんとにいいのっ……?」
俺「既にその様子を妄想しながらヌいているが、問題あるかね?
遙「いやぁぁぁぁーっ! マニアックだよっ、マニアックすぎるよぅーっ!
俺「待ってくれ! こんなのはまだまだだ! 本当にマニアックというのは……」

……ふぅ

○咲 かおり
さらに萌えキャラ候補。
俺的螺旋2NO.1萌えキャラ。椅子の上で体育館座りだとかガムテープ(?)でぐるぐる巻き結合だとかシャーペンだとかハートに直球勝負なCGの数々にノックダウン。
さすがにダ○マにはハートはときめきませんでしたが。
ゲーム全体で、かおり視点のシナリオが一番怖かった。そりゃもう怖かった。
マナマナを軽く凌駕する女、その名も寺島 実奈美。
かおりシナリオの最初の方だけコイツの視点で展開されるのだが、そこでは一見まともな(レズっ気のあることを多少ながら表現はしていたものの)少女の思考であるのに、後半のこいつの精神異常性が前半のまともな思考そのものから発現していると気づかされ、ゲームのキャラ相手に本気で吐き気を覚えた。
人間には物欲があって、そこに制御をかけられる人とかけられない人がいる。
俺もどちらかといえば後者だが、この対象が人間に変わったことは一度もない。二次元キャラには大いに抱いているが。
物欲には、大きくわけて、自分というカテゴリの拡大をはかっての欲求と、カテゴリに内在しておきたいという欲求の二つに分類できると考える。
こいつの場合は後者。それを有している自分は今までの自分ではなく、新しい自分として存在することができるという考え。
こいつにとっての新しい自分というのは恐らく男性としての自分ではないだろうか。
それが同時に、彼女の狂気性を浮き彫りにしているように思う。
精神性の進化する先が当人にとって相反するところにあった場合、それは他者にとってはあたかも常軌を逸しているように見えるのではないだろうか。
この欲求の根源が花香る美しき物への女性的感性によるものであると考えるなら、これ以上皮肉なこともないだろう。
これは俺の妄想に過ぎないが、これを例にすると現代の二次元萌えにも説明がつくのではないだろうか。
二次元を得ることで二次元人としての自分を手に入れ、その精神性の進化する先が三次元の人間 にとって相反する場所(主に有明)にあった場合、それは一般人にとってはあたかもヲタクとして見えるのではないだろうか、と。
うっわ、書いててむっちゃ鬱。

○神無木 頼子
ってゆーかユカリ。
いまだかつてこれほど萌えることがあっただろうか。男に。
やばいっすよ、コレ。
頼子にも実は結構萌え。こういうキャラ、意外にツボだったり。
あるEDで、頼子はこう言う。
「知りたければEDENを探しなさい。そして勝ちなさい。次に会ったとき、すべてを教えてあげましょう」
うろ覚えだが、こんなようなセリフ。
この時点で俺は、頼子は前作のWebマスターではないかと推察した。
全EDコンプリートまでその先入観でプレイしていたために、俊平シナリオでは頼子の俊平>ユカリ化までの手口が前作のEDENらしいなぁと感じた。
頼子が前作のWEBマスターだと推察するに至った理由は、上記の他にこれらが挙げられる。
・頼子一人(ユカリも含むなら二人)でEDENのメンバー皆殺しは不可能だと思われる
・俊平の過去をたった数日で調べるのに一人で行ったとは思えない
・自分はEDENの始まりであり終わりであると自ら告白している

前作のマスターは男性だったが、頼子は両性具有であることから自分の外見を改造したのだと考えられる。
あと、前作のマスターは「紳士風の男」と表現されていたのにも注目したい。
そんなことよりもユカリですよ、ユカリ。
いやぁ、俺、どうしたらいいっスかね。
挙げ句にはユカリが頼子にされているCGのユカリの姿勢で一人でしてしまう始末。
二回目以降がおすすめです。
やるときは目を閉じましょう。CGを脳裏に思い浮かべ、ユカリになったつもりで一心不乱にしごきます。たまに裏声で女の子っぽい声を出してみるといいかもしれません。遙とか末莉の声マネ(末莉は声ないけど)をしていた俺にとっては造作もないこと。あと必ずベッドの上など、柔らかい場所が最適。発射時は布団を汚さないように気を付けて。
……何語ってんだ俺。

○総評
とにかくどんな手段を以てしてもこのゲームを楽しみましょう。
要所要所で夢に見そうなくらい痛いシーンもありますが、そういうのに抵抗のある人ほど逆に楽しめるかもしれないとか思ってみたり。直接的な描写(主にCG)が少ないので。
とにかく現代のオンライン社会におけるひとつの恐怖の形が見所です。
前作をプレイしていなくても基本的に楽しめる内容になってますので、ご安心を。
鬼畜ゲーエキスパートな強者方には少々物足りないかもしれませんが(今回は最後まで残る謎があり、そこに気をとらわれて素直に鬼畜ゲーとして楽しめないのではないかと推測)、サイコサスペンスホラーというジャンルとしては良作だと思うので、その観点で楽しんでください。
それにしても今回は割とまともな内容のレビューになったな……なぁ、遙?
遙「わんっ」



総合 シナリオ グラフィック サウンド 萌え度 ゆかり 犬遙 むしろ遙にいじめられてる俺に
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次回は2001年度ゲーム感想&俺的BEST10か、ねこねこファンディスクになるかな。