Wind-a breath of heart-  minori


Q:いつも使っているオカズは何ですか?
A:エロ漫画がメインですが何か?


こういう人は世の中にたくさんいるんじゃないかと思う。
もちろん俺もそうなんだが。
そして俺はロリ属性なわけだが、「リアルではどーよ?」と訊かれれば、即座に首を横に振れる自信がある。
つい一ヶ月ほど前に、黒いストッキングを穿いた小学生を見かけて思わず興奮してしまったが、そこはシチュエーションに萌えただけということでご容赦願いたい。
ここ数年間の性的興奮対象が二次元キャラが大半というダメ人間な俺ですが、
「なんだ、三次元かよ!」
軽く三次元の女性の話題を一蹴できる神についてのお話を聞いていると、俺もまだまだイケるじゃん!と思ったりするわけで。

さて、久々のレビューになります。
今回はminoriの第二作目、「Wind」です。
仕事柄、メーカーの人と少し話をする機会があったんですが……。
詳しいことは書きませんけど……。
今、俺は激しくあいつを問い詰めたい。
何故、こんな中堅以下の内容のゲームを大々的に宣伝する必要があったのかと。
か。がすべてか。
先日購入したラズベリーで対談してるヤツに会ったんですが。
お前、プロデューサーやったんかい。
とにかくお前に問い詰めたい。
お前自身のWindに対する評価はいかほどのもんかと。
お前はWindでヌいたのかと。
ああ、確かにエロは良かったさ。
ロリボディを後ろからパソパソ突き上げるCGには、思わずストイックに「ヒュー♪」と口笛を吹いたさ。
しかしこのシナリオの出来はいかがなもんかと。
ネタバレ覚悟の表現で言わせてもらうと、
「萌えのないみずいろ+文章の下手な月姫」
まさにこんな感じ。
だがムービーだけは超大作クラス。
(´-`).。oO(ボーカル曲も良かったなぁ……)
そんなゲームを相手に、どうやって最後までプレイするか、必死で試行錯誤を繰り返しました。
そして、あるひとつの方法に行き着いたのです。
ムービー入りマキシシングル+初回特典イメージストーリー・ゲーム仕立て

主題歌三曲=2000円
ムービー二本=2000円
ゲーム=1500円(同人的計算式による)
ショップ購入特典=1000円(テレカ代含む)


これで計6500円。妥当な値段です。

○ゲーム概要
主人公と妹が風音市という街に引っ越してきて、半年くらい過ぎて幼なじみとエンカウント
ありがちな学園コメディを展開とつつ時にシリアスを散りばめたどこにでもありそうな内容
ただ彼らには、その街にいる間限定で、不思議な力を行使することができた。
妹・ひなたは空高くジャンプする力。幼なじみ・みなもは風を起こす力。
他には治癒とかソニックウェーブとか、役に立ちそうなものから立たないものまで。ワックスを薄く伸ばす力とか。
そんな強引にファンタジックにしました的な日常の中、主人公は街の真実に直面することになる……。

↑おおむね間違ってねーんじゃねーかと。
エンディングの数は5つ。初回プレイのみ12時間以上と異常に長くて、二回目以降は1〜2時間程度にショートカットできます。
二部構成らしいのですが、その切り替わりの際にムービーが挿入されます。
このムービーがまた素晴らしい出来です。
たぶん、これを最初に見たら「うわっ! 俺はなんて凄いゲームをやろうとしているんだ!」と騙されること請け合い。
しかもそのムービー、明らかに挿入するタイミングを間違っています。
おい、そこじゃねぇだろ、と。
でも気にしないでください。
ムービーが原作でゲームはあくまでもおまけなのですから、仕方ないことなんです。
よく同人誌で、「原作の雰囲気を損ねている」と批評されるような本があったりしますが、その点、このゲームは優秀です。
誰でも原作超えを狙える可能性があるのです!
二次創作作家への親切な配慮だと思います。
minori。なかなかあなどれません。


○システム
これは、当方の環境では問題なく動作していたのですけども。
巷ではフリーズ多発だとか、ムービー再生ができないだとか、大変だったようですね。
現在は修正パッチが出ているので、問題はありません。
ただ、修正されても明らかにおかしい機能がひとつだけあります。
SKIPです。
メッセージウィンドゥの右下の方にあるのですが、普通、「SKIP」と見れば誰でもメッセージスキップを連想すると思います。
しかしこれは我々の意表を突く、画期的な機能だったのです!
その名も「オートモード」
ナメんじゃねぇぞコラ。
何だ。お前らメーカー側の人間にとって俺らエロゲヲタは簡単な英単語の意味も理解できない低脳な猿同然なのか?
それともお前らが馬鹿なのか?
どっちでもいいです。はっきりさせてください。

○音楽
水準のレベルは超えてるんじゃないでしょうか?
聴いていてなかなか気持ちのいい曲ばかりだと思います。
主題歌は久々に何度聴いても飽きないと言えるような曲に出会えたと思います。
挿入歌もいいんですが、やっぱりEDの曲がいい。
シナリオに「ハァ?(゜д゜)」って思ってても、この曲が流れると、涙腺にきちゃいますね(^-^;
挿入歌は最初に聴いたときは凄く良かったんですが、本編中で何度も繰り返し再生されて萎え。
例えば、主人公にヒロインが感情をぶつけるシーンがあるんですが、そのセリフが長いこと長いこと……(;´Д`)
その間、主人公は何も言い返さない。マグロ状態です。
そういうシーンに限って鳴らしてくるので、この曲がかかると頭ん中で「ロングトークキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!」と叫んでしまう始末。
ゲーム自体の演出で完全に殺されてしまっています。
もっとも音楽が原作(以下略)

○CG
背景は最初見たとき、度肝を抜かれました。
まさか今年中に、このクオリティの背景を見れるとは思いもしなかったので。
イベントCGも綺麗です。女の子キャラは可愛いですし、HCGも気合いが入っていて言うことなし。
若干、顔の崩れてるように見える絵もありましたが、妥協できるレベルです。
立ち絵ですが。
腐ってます。
立ち絵描いたの別人だろ、とツッコミたくなるくらい、ひどいです。
俺内部では、立ち絵を描くときだけ利き手じゃない方で描いたと自己完結していますが……。
マイケル「WOW! 利き手じゃなくてもここまでのものを描けるんダネ! スゴイヤ!
マリー「そうよ。このゲームをやれば、誰でも一日数十分くらいの運動で(以下略)

※閑話休題
CGといえば……。
先日、ONE2の原画家さんのサイン会にいったんです。
いやー。雛たん可愛いですね。
ああいう女性は好みですよ。
ああ、俺にもまだ三次元に萌える心があったんだ……。




コンプリート後:レビュー

※以下はネタバレを全力で書き込んでいますが、気にせずに読んでください。
いや。多分、巷の評価とか見て、いまだに購入を検討しているような方はいらっしゃらないかと思うので……。
今回もいつも通り、キャラクターごとに感想を書いていきます。
妄想SSが出るかどうかは、俺のテンション次第です(爆)
OK、行こう。

○鳴風 みなも
(´-`).。oO(可愛いなぁ……)
(´-`).。oO(ニーソックス似合うなぁ……)
(´-`).。oO(指チュパ、キタ━━━━━━━━━━━━……)
(´-`).。oO((下ろした髪もいいがツインテールもなかなか……)
(´-`).。oO(ひもパン、ハァハァ……)
(´-`).。oO(マジで小一時間問い詰めてるよ……)
(´-`).。oO(確か開発画面ではお腹の上に射精してなかったか……?)
(´-`).。oO(喘ぎ声エロー)
(´-`).。oO(なんかとってつけたようなメイド服だな……)
(゜д゜).。oO(え? これで終わり?)
ふざけんじゃねぇぞウワァァァァァァン!!!ヽ(`Д´)ノ

キャラ的には普通なんです。
普通の学園モノのヒロイン。幼なじみで主人公のことを「ちゃん付け」で呼び、子供の頃に結婚の約束をしていたり。
普通すぎてそれほど感慨はなかったのですが、指チュパはさすがに萌えました(^-^;
本人は何気ないつもりでも、されている方からすればもの凄く恥ずかしいことで……というようなシチュエーション、好きです。
さらに語らせていただけるなら。
壊れた少女が虚ろな眼差しで男の指をしゃぶっているのも確かに萌えるが、そんな背徳的な時代はもう終わったのですよ!
時代はやはり、顔を赤くして照れながら一生懸命しゃぶってて、時折こちらの顔を見上げて「恥ずかしいけどあなたのために頑張ってるんだぞっ!」と視線で訴えかけてくるような嬉し恥ずかし純愛路線ではないかと。
しかも意味なくしゃぶってるとポイント高いです。
……話が脱線しましたが、実はこのみなも。見た目では想像できないほど歪んでいるんです。
それについては下記の方で……。

○丘野 ひなた
なんといいますか、ひねったはいいけど絡まっておかしなことになってしまったような妹キャラですね。
口癖は「うにゅ」
主人公(兄)によく頭を小突かれる。泣き顔になる妹の顔を見て、主人公は毎回、心の中でこう独白するのだ。
ぐっすんひなた。
……なんとかして萌えさせようというシナリオライターの必死の努力が窺えます。
ゲームを始めて、まず最初にこいつのセリフを聞かされることになるのですが、そのセリフがまたとんでもないことになってまして。
「いーぬいぬー(犬犬)」
その瞬間、思いました。
地雷キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!と。
声は可愛いです。やや強調しすぎる部分もありましたが。
しかし、のっけからこのセリフ&声は精神ダメージデカすぎです。
シナリオ的にはそこそこ良いのではないかと。
眠り病にかかってしまうひなたに、薬を飲ませたりして必死になんとかしようともがき、あがく主人公が良かったです。
最後、主人公のことを「お兄ちゃん」ではなく「真さん」と呼ぶところは、ぐっときました。
あと、最後のCGで、ひなたがひまわりを抱いて笑っているシーンがあるのですが、昔からそうなんですが俺は女の子とひまわりの組み合わせがどうにもツボでして。
サーカスの水夏の第二章もそうでしたが……ヤバいですね。条件反射的に涙が出てしまいます。
そんな俺のセンチメンタルな部分をあっさりとぶっ壊してくれたのが螺旋回廊2でしたが、それについては第六回のレビューをご覧ください。

○藤宮 望&わかば
こいつらは、二人で一組だと思っているのであえてひとくくりで。
とりあえず、立ち絵が一番ショボかったのがこの二人でした。
おかげでシナリオに感情移入のできないこと……立ち絵の重要さを再認識させられました。
シナリオ的には望のEDが好きですね。
スタッフロールが流れた後、いきなり死んで墓の中にいるヒロイン。
このラストの急展開さはotherwiseのsense off並みだと思いました。
例え命短くとも、最後のその瞬間まで愛し続ける……愛し続けた主人公の男らしさに素直に感動。
ただ、そうなることが運命づけられているようなシナリオにも関わらず、他のキャラのEDではあっさり心臓病を克服してしまっているのが気になります。
わかばEDの方は愕然としました。もちろん悪い意味で。
いきなりみなも、ひなた、わかばが血の繋がった姉妹だとか言われても納得なんかできません。
エピローグで、みなもが父親の手紙を読むシーンがなければ完全に破綻しているところです。
望とわかばの、血の繋がりはないけど姉妹としての絆を大切にしようという気持ちがないがしろにされてしまっているように思えます。
浜辺で二人が抱き合うシーンで、なんとか誤魔化そうとしているように見えます。
わかばはあっさり妹の好きな男を寝取るし。
しかしここで重要なのはそんなことではありません。
ダークホース、みなもの存在です。
わかばシナリオなのに、最後の最後でおいしいところをさらっていくしたたかさ。
さも当然のようにわかばのことを妹だと認め、家族の一員として主人公の側にいようとするその粘着さ。
恐ろしいです。
これは俺の偏見かもしれません。
ですが、彩シナリオの最後でそれがあながち間違ってはいないということを証明してくれるのです……。

○月代 彩
Wind最強の萌えキャラ。
感情のない、他人を遠ざけているようなきつい口調が萌え。
もっとなじってくれるのかなと期待していたけど、あんまりされなくてがっくり。
声はちょっと素人臭く、あまり上手ではないのですが(狙ってそうしているだけかも)、かえってそれが良い感じだったりします。
エロボイスは泣いている子供を犯しているようでゾクゾクしました。
主人公に心を開いたあたりから正確が180度反転するのですが、ここは賛否両論多いかと思います。俺的にはOKでしたが。
以前はツンツンしていた子が、恋仲になるや甘えてくるシチュエーション。ですね。
唯一、Hシーンが二回あるキャラでもあります。
一回目は巫女姿で現れて、「なんじゃそりゃ!」と思いましたが。
二回目は学校の屋上で制服プレイ。幼い身体が非常にナイスです。
常々、レビューでその名を書かせていただいている真崎梓氏が彼女について素敵なコメントをされていたのが印象的です。

・ハスキー
・おぼうし
・ちいさい
勃起キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!


ストレートで、非常に分かりやすいコメントだと思います。
彩の過去編は、相変わらずどいつもこいつもセリフが説明的で長いですが、素直に良かったと感じました。
彩が兄から使命を押しつけられて、お話相手だった友達を殺すシーンでの絶叫はもの凄く良かったです。声の演技もバッチリでした。
最後の三日間はもう少しなんとかならなかったものかと悔やまれます。
シナリオライター的には、三日後に消えてしまう彼女、この幸せな時間を永遠のものにしたいとあがく主人公の心理、そのほか諸々を描写したかったのでしょうが、いささか力不足でした。
やろうとしていることが分かるだけにもどかしかったです。
そして彩が消えてしまう日、消えてしまう寸前。
彼女はこう言います。
「私のこと、忘れてください」と。
ちょっとマテやコラ!
ここに来てそれか!? しかも1000年の呪いとかゆってるし!
この時点でシナリオライターが鍵ヲタだということが判明したわけですが(偏見)、他のスタッフたちはどうして止めなかったのか不思議でなりません。
でもまぁこれはこれで。
俺的にはたいやき嬢よりは感動した気がするし。
彩の最期を見届けた後、主人公は家に帰って、涙するのですが……。
そこにみなもが颯爽と現れます。
傷心の男の心の透き間に、狙いすましたかのように入り込むそのちゃっかりさ。
主人公は「俺は彩のことが忘れられない」的なことを言います。
対してみなもは、「それでも私はまこちゃんのことが好き」と返します。
……君望でもありました。
「孝之が遙のことを好きでもいい。だから私も見て!」(by水月)
名言だと思います。
みなもは、まさしく水月と同じ……いや、理性で動いている分、彼女を超えています。
ここまでくると、もはやストーカーかと。
正直この女、怖ぇーです。
考えてもみてください。彩シナリオ後半ではみなもはまったくといっていいほど登場しません。
彩と最初にHをしてからの三日間など皆無です。
にも関わらず、みなもは主人公が彩のことが好きだという事実を知っていました。
つまり、どこかから主人公のことを監視していたのです。
丘野家には盗聴器が仕掛けられています。間違いありません。
みなもシナリオで、主人公が自分に会いに来ないだけであのキレっぷりです。
自分のことを放置して、他の女のことを好きになった主人公を監視している内に、みなもは狂ってしまったのかもしれません。
……恐ろしいゲームだと、改めて痛感させられます……。

あ、EDの、彩(子供)が空に手を伸ばしているCGがツボだったことも追記しておきます。

○総評
非常にもったいない作品。
パーツごとを切り取ってみれば凄く面白い素材が揃っているのに、肝心のテキストがそれを台無しにしてしまっています。
OPムービーを見ればある程度推察できるように、このゲーム、最初は春から冬にかけての一年間を舞台にしようとしていたのだと思います。
店頭版のムービーに挿入されていたクリスマスのCGとか、雪の降る夜に窓の向こうに佇むわかばだとか。
察するにこのゲーム、時間切れだったのではないかと。
冬用の背景を用意することができなかったとか、シナリオライターの筆が遅くこのままでは発売日に間に合わないので急がせただとか、色々考えられます。
全体的に、試作版をプレイさせられているような印象を受けました。
ですが、巷で騒がれているほど地雷でもないように思えます。
過剰な期待さえしなければそこそこ楽しめる作品です。
これを地雷とか言ったら、F&Cのゲームの大半はどうなるんですか(爆)
水準のレベルは充分に満たしていると思うので、これからやってみようと考えてらっしゃる方は中古が安くなった頃に手を出すと良いでしょう。
4000円台なら、
主題歌三曲=2000円
ムービー二本=2000円
ゲーム=1500円(同人的計算式による)

原価より圧倒的に安いのでお得かもしれません。

総合 シナリオ グラフィック サウンド 萌え度 彩の絶叫 ムービー みなも
70点 50点 80点(立ち絵でー10点) 85点 72点 100点 100点 100怖

次回はONE2を予定。 今度は妄想します!